あなたは理解力という言葉を聞くと、どのよう意味を思い浮かべるでしょうか?
一般的にいわれる理解力とは、
本に書かれた内容を読んで、書かれた内容を書かれたとおりに認識している
このような状態だと思います。
これらは2つとも言語情報に関係する理解力です。
一般的には理解力がこのように認識されているため、私も理解力ということばを言語情報の理解力として使うことが多いです。しかし、本当は理解力というのはこれだけではないのです。
言葉というものはしばしば全体を表現します。日本とひとことでいっても、実際に中をみると47都道府県がありますし、あの人は力があるといっても、腕力はあるけど脚力がないこともあります。またべつの人は判断力があるといっても、特定分野の判断しかできないことがあります。このように、目先の単語にとらわれてしまうと全体を見失うことがあるので注意が必要です。
多様な理解力
話を理解力に戻すと、理解力には言語情報の理解力のほかに、
状況にたいする理解力
身体的感覚にたいする理解力
などがあります。
感情の理解力
FacebookなどのSNSが世の中にリリースされた当初、共感という言葉がよく使われました。
これは人の感情にたいする理解力と言いかえることができます。おいしそうな料理の写真をアップして、「おいしそう」とコメントします。それを見た人が、「たしかにおいしそうだ」「私もそう思う」と共感するわけです。写真をアップした人と似た感情を持つ、つまり他人の感情を理解できるから共感することができるのです。
状況の理解力
状況にたいする理解についても、ある人とない人がいます。たとえば、あなたが勤めている会社が倒産しそうな状況だったとします。そして、誰もがわかるような倒産の予兆があったとしましょう。そんなとき、「次の仕事を探したほうがよさそうだ」と考える人がいる一方、いざ会社が倒産してから「こんなことになるなんて」と嘆く人がいます。これは状況が理解できていなかったため起こる現象です。
感覚の理解力
身体的感覚に対する理解力については、スポーツやトレーニングをしている人がわかりやすいかもしれません。トレーナーからフォームについて見せてもらい、口頭で説明を受けます。ある人はなかなか上手くできません。しかし、ある人はトレーナーの説明通りに簡単にできてしまいました。この場合、簡単にできた人は身体的理解力が高いといえます。
ここで、「いや口頭でも説明しているから言語の理解力も高いのでは?」そう考える人もいるかもしれません。ところが、身体を動かすということは、言葉で説明してすぐにできるものではないのです。少なくとも、似たような動作、同じ動作を過去に経験していないとできないのが普通だと思います。
自分がどの理解力に特化しているかを知る
さて、ここまで理解力にもいろいろあると説明してきました。
どの分野の理解力があるのかを知ることは、自分の強み弱みを知ることになります。自分はどの分野の理解力が高く低いのかを知っておかないと、弱みを補強することも、強みを伸ばすこともできません。まずは自分にどの分野の理解力があるのかを考えてみましょう。