もし、あなたが自分の人生を変えたいと本気で思っているなら、まず最初に考えなければならないことは親から離れることです。
家庭環境が悪い場合は絶対に離れるべきですし、逆に家庭環境がよく、いい親御さんであっても離れたほうがよい場合もあります。まずは家庭環境が悪い場合から考えてみましょう。
実家の家庭環境が悪い場合
家庭環境の悪さとひとことでいっても、いろいろあります。経済的に苦しい場合や親自体に問題がある場合。もしくは祖父母や親戚の干渉が異様に強いといったケースもあります。
具体的には、以下のようなものがあります。
親が暴力的
親が身勝手である
親に自制心がない
親の情緒が不安定
子供への依存心が強い
子供を束縛する
子供を利用する
過干渉してくる
生活習慣が悪い
食生活が偏っている
自宅の環境が不衛生
もし、実家の環境がこれらに当てはまるのであれば、あなたはすぐにでも親元を離れるべきです。身内というのは他人とは比較にならないほどお互いに強く干渉しあっています。しかも、それは無意識的に起こります。
あなたがどんなに「親のようになりたくない」と思って親を拒否したとしても、長年刻み込まれた生活習慣、思考や行動の習慣というものは、そう簡単に抜けるものでありません。誰でも確実にいくつかは親の嫌な部分を受け継いでしまっています。
それを薄めていくには長期間にわたり親元から離れる以外の方法がないのです。そして一度親元から離れたら、実家にはあまり帰らないほうがいいでしょう。期間としては、5~10年は必要だと考えてください。
親元から離れて一人で生活することになると、最初の数年は生活や人間関係に苦労するかもしれません。それまでの家庭環境が悪ければ悪いほど、親からの悪癖が知らず知らずのうちに、自分の身に染みついているからです。
最初は苦しいかも知れませんが、そこを乗り越えた人だけが、親の呪縛から抜け、本当の自分の人生を歩むことができるのです。
親元から離れる最大のメリット
そして親元から離れることの最大のメリットは、自分好みの環境作りができることです。
はっきり言いますが、どんなに才能があったとしても、環境が整っていなければ才能を開花させることはできません。これは絶対だと言っても過言ではないでしょう。それほどまでに環境というのは重要なものだと考えて下さい。
本当は才能があるのに、環境が整っていないため、自分の才能に気づかず埋もれさせてしまっている人が今の世の中には山ほどいます。
実家にいると、自分が集中しようにもなにかと邪魔が入りますし、親の生活リズムに自然と合わせることになります。長年一緒に暮らしているため、それ自体はさほど苦にならないと思いますが、実はそれこそが問題なのです。
人間というものは、無意識的に身についていることに関しては、なかなか自分で気づくことができません。それに気づくには、自分一人で生活してみるしかないのです。
一人で生活すると、まず話す相手がいませんから、自分一人で考えごとをする時間が増えます。それは己との対話となり、自分を客観的に見ることへと繋がっていくのです。自分を客観的に見ることができれば、他人と比較しながら、自分の悪いところを修正することができます。
いつも誰かといると、どうしても意識が外に向いてしまいますから、自分と対話する時間がなく、自分の悪いところに気がつくことが難しくなるのです。
実家の家庭環境が悪くない場合
次に、実家の家庭環境が悪くないケースを考えてみましょう。
モデルとしては、以下のようなサラリーマン家庭になります。
両親ともに優しくあまり怒られたことがない
両親は自分が困ったときはいつも助けてくれる
両親は自分に近くにいて欲しいと思っている
あまり家庭内がゴタゴタしたことがない
もし、あなたの家庭がこんな感じであれば、親元を離れたほうがいいかもしれません。
このような家庭で育った人も、今後は底辺に落ちてゆく可能性が高いからです。なぜなら、上のような中流のサラリーマン家庭は、今まで、そこそこの生活を送ってこれたため、親に危機感というものがありません。
また、年功序列・終身雇用の制度下で保護されてきたため、勤めている会社の外に目を向けたことがなく、視野が非常に狭くなってしまっています。そのため、自分の子供に従来の終身雇用・年功序列を前提としたアドバイスしかできないのです。
これからの時代、終身雇用・年功序列の時代と同じやり方だと、確実に給与は減少し、増えることもないでしょう。親を尊敬している人ほど、親と同じ行動パターンを取りがちです。
これからの時代、親と同じことをしていては、親と同じ生活レベルすら維持することができないと考えなければなりません。社会の仕組みは完全に変わってしまったのです。
さらにいえば、親御さんがいい人であればあるほど、その人の中の甘えが強くなっている可能性が高いです。甘えが強いと、他人に対しても依存心や依頼心が強くなります。
今、世の中の多くの人に他人を助ける余裕などありません。誰もが自分のことで精一杯です。そんな時代ですから、依頼心や依存心の強い人は、今後は見捨てられる可能性のほうが高いと考えて間違いないでしょう。
だからこそ、若いうちから親元を離れ、できるだけ人に頼らず、自力で生活していける術を身につけておく必要があるのです。