栄養と睡眠

今回は栄養と睡眠について書いてみます。

栄養と休息(とくに睡眠)がとても重要なことは、誰もが知っていると思います。しかしながら、日本ではいわゆる根性論がいまだに根強く残っており、「根性があればなんとかなる」という根拠のない精神論を信じる人も少なくありません。ときには根性も大切なのですが、その根性も栄養と休息なしに出し続けることはできないのです。古い考え方に支配されている人は、いまだにこのことがわかっていません。そもそも、精神状態というものは、そのときの健康状態に大きく左右されるということを知らなければなりません。そして、健康に大きな影響を与えるのは栄養と睡眠なのです。ここを知らずに根性論で無理を続けると、その人は必ず病気になります。

なぜ栄養を意識しなければならないのか

私はこれまでいくつかの職場を見てきましたが、そのとき感じたのが、食べ物に気をつかっている人があまりにも少ないということでした。とくに若い人でハードな肉体労働をしているのに、昼食がカップラーメンだけという人が結構いました。日本人の平均年収はこの20年下がり続けていますから、賃金の安い若者は節約のため食費を削ってしまうのでしょう。私も若いころは給料がとても安かったので、その気持ちはわかります。ですが、そうした食生活を何年も続けると30歳をすぎたあたりから、身体に様々な不調が現れてきます。

なぜでしょうか?

人間の身体というのは、ビタミンやミネラル、たんぱく質といった栄養素を常に消費しながら活動しています。肉体を使うときはもちろんのこと、頭を使うときも大量の栄養素が消費されています。もし、体内で必要な栄養素が不足した場合、身体はどのように不足した栄養を調達するか知っていますか? 

答えは、自分の身体を分解して栄養を調達するです。

筋トレをしている人はカタボリックという言葉を聞いたことがあるでしょう。これは身体の組織が分解され、活動のための栄養として使われることをいいます。この場合、分解するのは筋肉だけでなく、骨、靱帯、内臓、神経など体内のありとあらゆるものに及びます。つまり、偏った食生活を長年続けていくと、筋肉、内臓、神経など身体のあらゆる部分の機能が低下してしまうのです。身体の機能が低下すると、原因のよくわからない不調が増え、見た目も老けてきます。内臓の機能低下はとくに精神状態に影響を与えます。そして、何年もの時間をかけて機能低下した身体をもとに戻すには、最低でも数年の月日がかかってしまうのです。だから、若いころからの食生活が大切なのです。

次に重要なのが休息です。人間の身体は毎日活動することでダメージを受けます。そのダメージを修復するのは休息(とくに睡眠)のときなのです。ただ、休息したときに身体の中に十分な栄養がないと、休息のメリットを十分に活かせません。ただでさえ現代人はストレスが多く、睡眠時間も少なくなりがちです。最低でも、朝と寝る前くらいは栄養を補給しておいたほうがいいでしょう。とはいっても、どんな栄養を取ればいいのかわからない人もいると思います。それについてはこちらの記事で3つのサプリメントを紹介しておきました。興味のある人は読んでみてください。

呼吸を意識する

休息について、もう一つ重要な要素があります。それは呼吸です。休息で十分な疲労を取るには、十分な量の酸素を身体のすみずみまでいき渡らせる必要があります。呼吸は血液の流れを支配していますから、深く長い呼吸をすることで、身体の隅々まで血液をいき渡らせることができます。ところが、現代人は様々なストレスに晒されているため、呼吸が浅く短くなりがちです。呼吸は通常、無意識にしていますから、呼吸が浅く短くなってもなかなか気づくことができません。呼吸が浅くなる一番の原因は身体が固まってしまうことです。人間はストレスを受けると、筋肉が硬直し身体が硬くなります。硬くなった部分は血液の流れが悪くなり、十分に動くことができなくなるのです。

呼吸にもっとも関係しているのが横隔膜です。呼吸をするときは、必ずあばら骨の下にある横隔膜が動きます。この横隔膜が固まってしまうと深い呼吸ができなくなるので、横隔膜はいつも柔軟に保っておく必要があります。横隔膜の可動域を柔軟に保つには、脇腹を伸ばすといいでしょう。毎日、朝晩でもいいので脇腹を伸ばしてみて下さい。もし、身体が硬くなっていれば、脇腹を伸ばしたときに痛みを感じるはずです。痛みがあるときは無理をせず、ゆっくりと何回か脇腹を伸ばしていくようにしましょう。

身体をほぐしてから眠ると疲労がよくとれる


その他にも、疲労がたまりやすいのが腰・背中・肩・首にかけての部分です。とくに背中と首はストレスを受けたときに硬直しやすいので、意識してほぐすようにするとよいでしょう。硬直した部分をほぐすには、ヨガや柔軟体操のほか、温泉に入ったりマッサージをするのがいいと思います。

ちなみに、私が去年からハマっているのが、Dr.AIRです。知っている人もいるかと思いますが、あのブルブル振動する筒ですね。寝る前に身体の硬くなっている部分にその筒を当てて、しばらくマッサージしていると、当てている部分の血の流れがよくなって柔らかくなってきます。私も去年は仕事がハードだったので、どんなに遅く帰っても寝る前にはDr.AIRを使って身体をほぐしてから寝ていました。寝る前に身体をほぐしておくと、翌朝、疲れの取れ方が全然違うことに気づきます。

寝る前に5分だけ柔軟体操をして、身体の硬い部分を伸ばしておくだけでも効果があります。やるのとやらないのとでは大違いなので、もしあなたが疲れを効率的に取りたいと考えているなら、寝る前に身体をほぐしておくことをおすすめします。