人に与えられるものを持っているか?

「もっと人に頼ればいい」

もう何年も前になりますが、ホリエモンこと起業家の堀江貴文さんがこのような発言をしました。彼にはかなりの支持者がいますから、彼のこの発言は多くの人たちに影響を与えたことでしょう。ですが、私たち一般人が無条件にこの言葉を信じ、実行してもいいのでしょうか。

私は恐らく上手くいかないと思います。

人に頼ることは相手に負担をかけること

そもそも、人に頼るというのは、他人に借りを作るということです。借金と同じで、借りを作ればいずれ返さなければなりません。とくに若い人に、この視点が欠けている人が多いような気がします。人から何かをしてもらって当然だと思っている、最初から相手にお返しをする気がない、そのような人がいます。相手から一方的になにかを奪う関係はいづれ破綻します。他人になにかをされるという行為は、その人の時間、お金、あるいは精神や体力を消費することと同じ意味を持ちます。

つまり、相手に負担をかけているのです。なんの見返りもないのに、負担ばかりかけられると相手はどう感じるでしょうか? いくら親切な人でも、気持ちよくやってくれるのは最初のうちだけで、それが何度も続くと、いづれその人のことが嫌になってきます。最終的には、相手から嫌われたり、相手が離れていく結果になるのです。

人を頼るときには、まず自分がなにか相手に与えられるものがあるのか、
将来的になにかお返しができそうか、ということを考えなければなりません。

そういう気持ちがないなら、安易に人を頼ってはいけないのです。相手に返すものがない人から頼られても、ほとんどの人は嫌がるだけだからです。

他者から奪うだけの人はいづれ見捨てられる

このように言うと、「友達なら助けてくれるのは当然だろ!」「人に見返りを求めるのか!」といったようなことを言う人がいます。こういう人に限って、相手にお返しをする気がありません。彼らは依頼心や依存心が強く、自分に甘いという特徴があります。そして、他人のリソースを奪うことは平気でも、自分がリソースを奪われることは嫌がるのです。

私も過去に何度かこのような人たちと関係したことがあります。彼らのような人に何度も協力していると、彼らは人からされて当たり前と考えるだけでなく、それが自分の実力だと錯覚するようになります。それだけならまだしも、一体なにを勘違いしたのか、周囲の人に偉そうな振る舞いをしたり、見下すような人までいました。「虎の威を借る狐」とはまさにこういう状態をいうのでしょう。

自分に見返りがないだけなら私もまだ許せますが、周囲の人に悪影響を与えるなど言語道断です。どう考えても、彼らに与え続けることは本人のためにも、世の中のためにもならないと思いました。結局、私はそれらの人たちとの関係をすべて絶っています。

有名人は人に頼ってもいい

では、冒頭のホリエモンについて考えてみましょう。

彼が人に頼ることができるのは、彼に一般人より多くのリソースがあるからです。知名度や人脈、情報やお金といったものです。もし、彼が一文無しになったとしても、彼には知名度があります。その辺りの一般人に「何日か君の家に泊めてよ」といえば、それ自体が話題になります。泊まりの状況をYou tubeやTwitterに投稿すれば、世間の注目を浴びることでしょう。彼を泊めたことで、彼の持つ有用な情報を得られるかもしれません。あるいは、彼と繋がりができたということで、自分の人脈やビジネスチャンスが広がる可能性もあります。ようするに、ホリエモンのような有名人になると、人に頼っても相手に多くのメリットを与えることができるのです。だから、いくら人に頼っても嫌がられることがないのです。

翻って私たち一般人はどうでしょうか? そこまでのメリットを相手に与えることができるでしょうか? まず無理だと考えて間違いないでしょう。だからこそ、人に頼るという行為に、私たち一般人はもっと慎重になるべきなのです。

まずは人に頼るより、相手になにか与えられるだけの力量を身につけることを考えましょう。もちろん、それなりに時間はかかりますが、その経験は間違いなくあなたの人生にプラスとなるはずです。お互いに与え合える関係、ギブ・アンド・テイクだからこそ、良い人間関係が続けられることを忘れてはいけません。