転職で年収を上げるための基本的な考え方

転職の目的は人それぞれですが、ほとんどの人は収入アップを期待して転職するのではないでしょうか? 今回は、これまでの私の経験を踏まえ、転職で収入を上げるための基本的な考え方について書いてみます。

転職で年収を上げるための5つの方法

まず最初に、どうすれば転職で収入を上げられるのか、難易度別に5つあげてみます。

    平均年収の高い地域を選ぶ
   平均年収の高い業界を選ぶ
   大企業の一括大量採用を狙う
  外資系企業を狙う
 平均年収の高い職種を選ぶ

☆ 平均年収の高い地域を選ぶ

日本は都道府県によって、平均年収に格差があります。東京などの都市部は当然、平均年収が高くなっています。ただ、私は東京などの大都市はあまりおすすめしません。なぜなら、東京などの大都市は生活コストが高いからです。あなたが行きたい業界にもよりますが、私がおすすめするのは工業地帯になっている地方都市です。

大きな工場が乱立する地域では、それらの大工場が地域の平均年収を引き上げています。大工場の従業員はそれなりに収入がいい人が多いので、その地域のほかの産業も恩恵を受けるのです。たとえば、飲食店やその他サービス業、自動車ディーラー、不動産などがそうです。工業地帯は人口も多いので、これらの産業の売り上げも必然的に上昇することになります。

Webで「平均年収 都道府県 ランキング」などと打てば、各都道府県の平均年収を簡単に探せます。その他にも、平均年収の高い業種や職種などのデータも一緒に見ることができます。

平均年収の高い地域を選ぶと、今自分がしている仕事と同じ仕事でも収入アップが見込めます。この方法は、ただ地域を変えるだけでいいので難易度も高くありません。

☆☆ 平均年収の高い業界を選ぶ

これは地域を変えるより若干難易度が上がります。平均年収の高い業界といえば、ここ10年くらいはコンサルティング業界が不動の一位ですが、高学歴でないと入ることは難しいでしょう。

私自信が電気・機械系のエンジニアであることもありますが、やはり私のおすすめは電気・機械系の業界です。これには理由があります。電気・機械のような工業系の業界は、学歴がなくても比較的入りやすい業界なのです。

電気・機械系の業界の代表格は製造業です。ほとんどの製造業では大工場を稼働させるため、まとまった人数が必要なります。当然、採用人数は他の業界よりも多くなるのです。また、昨今の少子高齢化でエンジニアが年々減少していることもあり、以前より入社の敷居は低くなってきています。派遣から正社員への切り替えも、他業界よりは多いと思うので、高卒でも頑張れば十分にチャンスがあるでしょう。

最近では、エンジニアといえば、プログラマーを想像する人の方が多いかもしれません。身近で仕事が綺麗なイメージもあり、若い人には人気があります。しかし、色々なサイトで平均年収を確認してみると、プログラマーのようなIT業界より、電気・機械系の業界の方が賃金水準は高くなっています。プログラマーの世界は、持っているスキルがものをいうため、賃金格差が非常に大きくなっているからです。一部のエースプログラマーは非常に高収入ですが、その他、ほとんどのプログラマーの年収はさほど高くないのが現実のようです。

もし、あなたがIT系の業界に行きたいと考えているのであれば、今はプログラマーよりサーバーメンテナンスなどハード系の仕事がおすすめです。知り合いの人材エージェントや派遣コーディネイターから聞いた話だと、PCやサーバー、ネットワークなど、ITハードのエンジニアは常時不足しており、比較的エンジニアになりやすいそうです。もちろん、多少は情報系の基礎知識が必要ですが、簡単な資格をいくつか持っておけば、割と入りやすく、プログラマーより賃金水準が安定しているとのことでした。

☆☆ 大企業の一括大量採用を狙う

他の記事にも書いていますが、大企業とりわけ製造業で大工場を持つようなところは、何年か毎に一括大量採用を行うことがあります。そういったときが狙い目です。

現場系作業員であれば、高卒や派遣からでも普通に採用されます。一度入ってしまえば、そこで仕事をしながら勉強して資格をとり、エンジニアに職替えできる可能性も高まってきます。Webの求人を定期的に確認し、一括大量採用が始まったらできるだけ早めに動きましょう。有名な企業であれば、地方紙や全国紙の新聞に求人が掲載されることもあります。会社の休憩室に新聞があれば、それをチェックするのもいいかもしれません。私もこの方法で、28歳のときに一部上場企業に転職することができました。

☆☆☆ 外資系企業を狙う

一見して難易度が高そうですが、10年ほど前にくらべ、日本国内に外資系企業はかなり増えています。そのため、英語ができなくても若ければ転職できる可能性は高まっています。外資系企業はすぐにクビを切られるイメージを持っている人もいるかもしれませんが、エンジニアならクビを簡単には切られません。ですから、エンジニアとして入るなら悪くない選択肢だと思います。

エンジニアのスキルがない人は、多少厳しいですが、外資系の法人営業に挑戦してみるという手もあります。日本企業とは比較にならないほどマージン率が高いので、売り上げを上げると1~2年で一気に収入が倍増します。

ちなみに、私の知り合いの外資系エージェントは、1年目:年収350万、2年目:年収500万、3年目:年収1300万でした。日本企業の営業と比べてみても、尋常じゃない上がり方だとわかります。

ただし、日本企業と賃金が同水準の外資系企業については、うまみがないためあまりおすすめできません。外資系企業の雰囲気を知りたい、または賃金の高い外資系企業へのキャリアアップを考えて入るならいいと思います。

☆☆☆☆ 平均年収の高い職種を選ぶ

これは上の4つより難易度が高くなります。平均年収の高い職種というのは、それなりに高いスキルが必要になるからです。学歴のない人は、難易度の高い資格で自分の技術や知識を証明してないと、転職は難しいでしょう。もちろんそのぶん、転職に成功すれば、安定して高収入を得ることができます。10年くらい社会経験を積んだ30歳以上の人におすすめの方法です。

転職は目的を意識することが重要

ここまで、転職で収入を上げるための基本的な方法について書いてきました。最期に、もう一つだけ重要なことを書いて終わりにしたいと思います。

それは、転職する前に ”自分が転職する目的をハッキリと意識すること” です。転職というものは、目的を意識せずなんとなくすると99%失敗します。べつにその目的がお金でも構わないのです。とにかく自分の目的をハッキリと意識しておかないと、自分の希望と違った会社に入ってしまう可能性があるのです。

たとえば、面接後に受けた会社が提示してきた賃金条件が自分の希望より低かったとします。もし、あなたの目的が収入アップであれば、その会社は断るべきです。しかし、目的がハッキリしていない人は、「収入は下がるけど、採用されたからとりあえず入ってみるか」といったことになりがちなのです。私はこれまで何人かそういう人を見てきましたが、ほぼ全員といっていいほど条件が悪化していました。これは賃金だけの話ではなく、職場環境についてもいえることです。

この記事を読んだあなたに知って欲しいのは、賃金水準の高い職場ほど、職場環境はいいという現実です。逆に、賃金水準の低い職場ほど、職場環境は悪くなります。私はこれまで、正社員だけでなく、契約社員、派遣社員、パート、アルバイトから期間従業員まで経験し、賃金水準の高い職場も低い職場も知っています。その経験からも、賃金水準と職場環境の善し悪しが比例することは間違いありません。

自分の希望条件に合わなければ、ハッキリと断る勇気を持ちましょう。人生は長丁場ですから、しばらくすれば次のチャンスは必ず訪れます。あまり条件をつけすぎてもいけませんが、1つくらいは妥協できない条件を決めて転職することです。それが、最終的には転職を成功させる秘訣だと私は考えています。