頼ることを止めると運が開ける

私も20代のころ、手取り15万前後で働いていました。いや、15万どころか社会人をスタートしたときは手取り10万だったのです。そんな私が今や大企業の幹部クラスの年収になったのはなぜなのか? 振り返ってみると、これまでの人生にはいくつかターニングポイントがありました。今回は、そんな私の最初のターニングポイントになった事柄について書いてみようと思います。

最初のターニングポイントは人に頼ることを止めたこと

思い返してみると、私が安月給にあえでいた20代のころ、私の中にはまだまだ甘えがありました。周囲が何かしてくれるだろう、会社が何かしてくれるだろう、そういった依頼心のようなものが強かったと思います。

ところが、実際に社会に出てみると、周囲も会社も自分が思うほどには何もしてくれないものです。もちろん、仕事で業務上の助け合いはありますが、プライベートについては基本的に関与しないのが現代人です。それどころか、そうした甘えにつけ込まれることすらあったのです。何度か甘えにつけ込まれて痛い経験をしたことで、私はいい加減、世の中に腹が立ってきました。そしてあるとき、「もう人に頼ることは止めよう!」と決意したのです。

もともと、私にはそういう気持ちがありましたが、本当にその気持ちが固まったのは25歳くらいでした。そのときの職場は、パワハラも酷く、低賃金、長時間労働でしたが、人に頼ることを止めると決意してから、少しずつ私に運が向いてくるようになったのです。

世の中の不満の9割は「他人が○○してくれない」

私が人に頼ることを止めると決意したことで、最初にアテにしなくなったのが他人の評価でした。どこの会社にでも、上司が評価してくれないと腐っている社員はいるものです。しかし、考えてみると、上司の評価をアテにすること自体が間違っているのです。

評価などというものは、会社の方針や上司の胸先三寸でいかようにもなるものです。会社の業績が悪ければ、思うように待遇は上がりませんし、上司が自分に都合のいい人間しか評価しないこともよくあるからです。そんな移ろいやすいものをアテすれば、思うように待遇は上がらず、不満がたまるに決まっています。

仕事だけでなく、日常生活においても「身内が○○してくれない」「友達が○○してくれなかった」といって不満を言っている人はたくさんいます。そもそも、人の気持ちは移ろいやすいものですから、数時間前に「○○してあげる」といっても、その場になったら気が変わって「やっぱり止めた」というのはよくあることなのです。それに文句を言ったところで、相手ににその気がなければどうにもなりません。相手に期待するから不満がたまるのです。

不満がたまれば人を恨まなければなりません。それなら、極力他人を頼らず、自分のできることを増やしていったほうが不満は少なくなります。少なくとも、自分は他人よりコントロールしやすいからです。

底辺から抜け出せない人ほど他人をアテにしている

私は家庭環境もよくなく、社会では本当に底辺の環境からスタートした人間です。そのため、若いころはブラックな環境を何度も経験しました。あるときはバイトやパート、またあるときは契約社員や派遣社員で働き、いくつもの会社で色んなタイプの人に出会いました。

中にはいい人もいましたが、「これはどうしようもないな」という人もいました。どうしようもないという人にも程度があり、話にならないほど酷い人もいれば、この人はまだ助かるという人もいました。そうした環境で人を見てきて、底辺から抜け出せない人には共通点があることに気づきました。

それは、彼らのほとんどは他人をアテにしているということです。言いかえるなら、依頼心や依存心が強いということです。自分の人生を他人がどうにかしてくれると考えているのです。

先に書きましたが、人の気持ちとは移ろいやすいものです。そんなものをアテにして、自分の思うように人生が進むわけがありません。人間とは、自分のことすら思うようにならないものです。他人ならなおさらでしょう。そこに不満を言ったところで、どうにもならないのです。

そうは言いながら、かつての私もその負のループから抜け出せずにいました。そこに気づくことができたのは、読書やネットで多くの情報をインプットし、実践を繰り返すことで、考える力がついたからだと思います。

人に頼ることを止めると、なぜ運が良くなるのか?

私が人に頼ることを止めてから、少しずつ運が向いてくるようになりました。若いころは運が悪いことばかりだったのに、私の運は年を取るごとに強くなっていったのです。「なぜ自分はこんなに運が良くなったのだろう?」私はときどき、その理由について考えていました。そして、考えているうちに、その理由がわかってきたのです。

まず、人に頼ることを止めると、自発性がついてきます。人に頼らないのですから、できるだけ自分のことは自分でやろうという気になります。そうなると、自分で色々なことをするようになり、同時に色々なことができるようになっていきます。このできるようになることが能力なのです。

色々なことができるようになると、職場でも色々なことを任されるようになります。「あの人はこれができるらしいよ」となれば、依頼も舞い込んできます。ときには、自分の業務とはべつの依頼が来ることもあるでしょう。私の場合、自分の業務に支障がない範囲なら、どんな依頼でも受けるようにしていました。その結果、自分のできることがさらに熟練していくのです。熟練すると作業が早くできるようになります。作業が早くできるようになると、同じ1時間でも人より多くのことができるようになるのです。

人より多くのことができるようになると、多方面から依頼があると書きましたが、これがチャンスなのです。会社内であれば、重要な仕事を任されたり、重要なプロジェクトメンバーに選ばれることもあるかもしれません。転職では、選べる業界や職種が広がります。また、フリーランスでもSNSなどでアピールすれば、仕事を受けるチャンスは増えるはずです。

そこにスピードが加わるとどうなるのか? これは回転率が上がるということです。回転率が上がれば、数をこなすことができます。それはすなわち、チャンスが巡ってくる回数が増えることを意味します。たとえば、あなたが何かの業務をこなしているとしましょう。その業務を手早く終わらせていれば、次の仕事をすぐに受けることができます。しかし、まだ仕事が途中であれば、次の仕事を受けることができません。そのとき受けられなかった仕事に、実は大きなチャンスがあったかもしれないのです。重要な人からの仕事であったり、単価の高い仕事であったり、はたまたいい人脈に出会える仕事であったりと。

多くの仕事を早くこなすことは、最終的には多くの情報を獲得するということになります。人は自分の中に蓄えた情報が多ければ多いほど、考える力がつくようになっているのです。しっかり物事が考えられるようになると、チャンスをチャンスだと認識することができますから、チャンスをモノにする確率は高まっていくのです。

ここまでを簡単にまとめておきます。

 人に頼ることを止めると決意する
 自発性が高まりなんでも自分でやるようになる
 自分でできることが増える
 色々な物事を任されるようになる
 できることが熟練していく
 物事を早くこなすことができるようになる
 物事を任される機会(チャンス)が増える
 結果として運が良くなっていく

他人に迷惑がかかるときは人に頼ってもいい

最期に、注意点について書いて終わりにしたいと思います。

私はここまで、「人に頼らないほうがいい」と書いてきましたが、以下のような場合は人に頼ってもいいと考えています。

 職場の同僚に迷惑がかかる場合
 お客さんに迷惑がかかる場合
 緊急に対応しなければならない場合
ほとんどの日本人は真面目なので、「これはこうだ」と言うと、それがすべての物事に当てはまると思いがちです。私も、プライベートは基本的に人に頼らないようにしていますが、会社内での仕事については話が変わってきます。
なぜなら、会社内の業務では、先輩や上司に頼らないとできないことが多々あるからです。それをできないままほったらかしにしておくと、ほとんどの場合、お客さんに迷惑がかかります。その会社で働いている以上、外から見れば私たちはプロなのですから、与えられた業務は滞りなく遂行しなければなりません。
同僚にしわ寄せがいきそうなら、誰かに頼って早めにその仕事を片付ける。
お客さんに迷惑がかかりそうなら、上司や先輩に助言をもらって期日通りに仕上げる。
緊急の仕事で、自分では間に合いそうにないなら、同僚や先輩に頼って納期までに仕上げる。
こうしたことは、仕事のプロとして最低限のマナーだと思います。もちろん、人に投げっぱなしで自分は何もしないというのは論外です。それでは何も覚えませんから、いつまでも人に頼ってばかりになってしまうからです。人に頼ってばかりだと、いずれは周囲の同僚や上司からも見放されてしまうでしょう。なので、基本は自分でやるというスタンスを持っておかなければなりません。ここだけは注意しておきましょう。