下流から抜け出すための食習慣

もしあなたが今、自分のことを下流だと考えているなら、最初にやるべきことは健康状態を改善することです。そして、健康状態に最も大きな影響を与えるのが食生活です。

20代のころの私は、すぐにイライラしたり、気持ちのアップダウンが激しく精神が不安定でした。そんな状態で努力をしていたから、効果が薄れていたのです。

その後、色々な本を読んでいくうち、食生活を改善した方が良いという結論に達しました。ここでは、すぐに実践できて効果のある食習慣をいくつか紹介します。

心がけるべき食習慣

私が色々と試して、健康状態の維持に効果があったのは以下の食習慣です。

 甘い物をできるだけ減らす
 コンビニやスーパーの菓子パンは食べない
 缶コーヒーは飲まない
 カップラーメンなどのインスタント食品は食べない
 たんぱく質は意識して食べる

甘いものは極力ひかえる

これはどこかしこで言われていることですが、甘い物は極力ひかえたほうがいいでしょう。とくに、精製された白砂糖や果糖エキスなどが大量に含まれたものは避けたほうが無難です。なぜなら、精製された砂糖は血糖値の急上昇と急降下を招くからです。血糖値が大きく上下するとき、人はイライラや倦怠感を感じます。また、甘い物を食べた後の急激な血糖値の降下は、強い空腹感をもたらし、余計にものを食べてしまう結果にもなるのです。

その他にも、砂糖を体内で代謝する過程で、大量のビタミンやミネラルが消費されます。とくに、ビタミンB1が消費されることはよく知られています。これにより、体内の栄養素が必要以上に減ることになります。甘い物を食べることが癖になっている人は、毎日かなりの量の砂糖を取っている可能性があります。下手をすれば身体の成長が阻害されるほど、体内の栄養素が使われているかもしれないのです。

コンビニやスーパーの菓子パン、缶コーヒーもこれと同じ理由でひかえたほうがいいでしょう。私も以前はよくコンビニで菓子パンを買い、缶コーヒーを一緒に飲んでいました。今思えば、これは最悪の組み合わせです。菓子パンや缶コーヒーには、私たちが考えているより大量の砂糖が入っています。先に書いたように、血糖値の急上昇と急降下が起こりますから、急激な空腹感でイライラしたり倦怠感を感じたりします。

実際、私は菓子パンや缶コーヒーを取らなくなってから、身体の調子はずいぶんと良くなりました。今でも、たまには缶コーヒーを飲むことはありますが、飲んでから1時間もすると、血糖値の急降下で気分が悪くなります。微糖の缶コーヒーならまだマシですが、それでも自宅でいれるコーヒーに比べると、入っている砂糖は多いと感じます。

最近の研究では、砂糖は血糖値の上下だけでなく、糖化といって身体を老化させる原因にもなることがわかっています。いづれにせよ、砂糖の取り過ぎに何もいいことはありません。私自身の経験からも、精製された砂糖はとくに精神が不安定になりやすいと感じます。これまで会った人でも、精神が不安定な人ほど、甘い物をよく食べていたからです。

インスタント食品の食べ過ぎはあとでしわ寄せがくる

カップラーメンなどのインスタント食品については、栄養が脂質と炭水化物に偏っているだけでなく、その他の栄養素もほとんど含まれていません。若い人がよく昼食をカップラーメンで済ませるところを目にしますが、あれはいただけません。たまにならいいと思いますが、安いからといって毎日のようにカップラーメンを食べていると、年を取ってから必ずしわ寄せがきます。

また、炭水化物は脂質と結合しやすく、身体に脂肪がつく原因No1の組み合わせということも覚えておきましょう。カップラーメンは基本的に食事というより、たまに間食で食べるくらいにとどめておくのがいいと思います。カップラーメンや袋麺を食べるくらいなら、まだレトルトカレーのほうがマシです。

たんぱく質は意識して食べる

人間の身体は、そのほとんどがたんぱく質でできています。筋肉や血液だけでなく、骨・関節・靱帯、その他の神経伝達物質、ホルモン、酵素にいたるまで、全てたんぱく質が主な原料になっています。同時に、毎日たんぱく質からできた血肉、骨、酵素や各種ホルモンなどを消費して私たちは生きているのです。

そのたんぱく質が不足するとどうなるのでしょうか? 足りなくてもどこかで調達しなければ、私たちの身体は活動できません。そうなると、人体は自分の身体を分解して足りないたんぱく質を補おうとするのです。分解されるのは、筋肉だけではありません。神経や臓器、骨にいたるまで、たんぱく質にかぎらず体内の栄養素が足りなければ、なんでも使われてしまうのです。これでは、せっかく身体を作っても意味がありません。

身体機能は徐々に低下し、身体のあちこちに不調がでてくるのです。だからこそ、もっとも重要な栄養素であるたんぱく質はしっかり取っておく必要があるのです。もちろん、たんぱく質が合成されるときに各種ビタミンやミネラルは必要です。それらもできるだけ食事で取っておくのが理想です。それが難しいなら、サプリメントで補うことを考えましょう。

自宅の砂糖はてんさい糖に変える

もし、今あなたの家に白砂糖や三温糖などの精製された砂糖があるなら、それらをてんさい糖に変えましょう。てんさい糖は砂糖大根から作られた砂糖で、甘みが柔らかく血糖値の上昇も緩やかです。もともと甘党の私が砂糖離れできたのは、てんさい糖のおかげです。値段は少々割高ですが、間違いなく健康状態はよくなるはずです。

最初は、白砂糖などに比べ甘みが柔らかいので、物足りなさを感じます。ですが、これもすぐに慣れるでしょう。自宅で使う砂糖をてんさい糖にしてしばらくすると、それほど甘い物が欲しくなくなってきます。それにつれて、あなたの体調も以前より良くなっていることに気づくでしょう。

てんさい糖の甘さに慣れたころ、ためしに菓子パンを食べながら一緒に缶コーヒーを飲んでみて下さい。血糖値が急激に上昇し、その後の血糖値の急降下で強い空腹感や倦怠感が身体を襲います。自分がどれだけ身体に悪いものを取っていたのかがわかるでしょう。

それと、多くの砂糖は身体を冷やす効果がありますが、寒冷地で取れる砂糖大根で作ったてんさい糖だけは、身体を温める効果があります。冷え性が多い女性たちには、これは大きなメリットでしょう。

食べた後、胃が重くなるのは消化に負担がかかっている証拠

自分が食べたものが身体にいいかどうかは、食べた後の胃の調子で判断します。あなたが何かを食べたあと、しばらくして胃が重いような感じがしたら、それは消化に負担がかかっている証拠なのです。消化しづらいものを食べたときにそうなるのです。

砂糖などは、一見して消化吸収が良さそうなイメージがありますが、実は消化器官に結構な負担がかかります。菓子パンなどを食べたり、缶コーヒーを飲んだ後も、胃が重くなることがあります。これも胃をはじめとする消化器官に負担がかかっていることが原因です。

何かを食べた後、胃が重くなるようであれば、それはあなたの身体にとってあまりよいものでないと考えて間違いありません。自分の感覚をバロメーターにして、口に入れるものを選んでいきましょう。消化の負担が少ないものを選んで食べていると、食べ物で体調を崩すことはほとんどなくなってきます。

消化に悪い物を食べていると吹き出物がでる

また、消化に悪いものを食べているときのバロメーターとして、顔に吹き出物がでることがあります。吹き出物が出る理由は、消化不良のほかにも、ストレスや身体の冷え、消化器官の機能低下など、いくつかの理由があります。

ただ、私自身の経験からも、消化に悪い物を食べていると吹き出物がでやすいのはたしかです。精製された白砂糖などは、取り過ぎると身体を冷やす効果もあるため、内臓の働きが悪くなる原因にもなります。内臓の働きが悪くなれば、消化不良が起こりやすくなり、それが吹き出物の原因になるのです。

あとは、やはりたんぱく質不足が大きいと思います。十分なたんぱく質が取れていないと、私たちの内臓機能は低下していきます。私たちの身体の細胞は、3ヶ月で全て入れ替わると言われています。つまり、それだけ私たちの身体の細胞は、入れ替わりが激しいのです。

十分なたんぱく質が取れていないと、細胞の入れ替えの際、古い細胞が再利用されることになります。再利用されたものは、新しい材料より質が悪いので、それが内臓をはじめ、身体の各器官の機能低下に繋がっていくのです。だから、私たちの身体は、新しいたんぱく質を毎日の食事で取り入なければならないのです。

健康こそがすべての基礎になる

ここまで、食生活の注意点を書いてきました。あなたがまだ20代なら、いくつかは心当たりがあるのではないでしょうか? 私も20代のころは、食生活が本当に適当でした。とりあえず、腹に入ればなんでもいいだろうと考えていたのです。

しかし、それは大きな間違いでした。私は23歳のころ、一念発起して身体を作るため、毎日トレーニングをするようになりました。その中で食事の重要性を知ったのです。食事を変えてから、私の体調はどんどん良くなっていきました。それにともなって、集中力や記憶力、理解力も向上していったのです。

どう考えても、健康なくして今の自分はないと断言できます。そして、その健康を作るうえで最も重要なものが食事なのです。食事にもっと目を向けましょう。食事=栄養こそがあなたの人生を変えるのです。食事と栄養に気をつかい、努力を続ければ必ず結果はでます。騙されたと思って、とりあえず1年、いや半年でも試してみて下さい。自分の体調が以前よりも良くなっていることに気づけるはずです。