転職して後悔する人の行動パターン

今回は転職して後悔する人の行動パターンについて書いてみます。

私はこれまで何度も転職してきましたが、そのほとんどは収入アップしているので、お金の面だけをみると成功した部類に入るでしょう。とはいえ、転職は目的が大切なので、お金だけで計れるものでもないのです。たとえ収入が下がっても、お目当ての会社に入ってスキルアップをするのが目的であれば、その転職は成功といえます。

では転職の失敗とはどういったものなのでしょうか? 私は「転職するんじゃなかった・・・」と後悔することを転職の失敗と考えています。私はこれまで、いくつかの会社で何人もそういった人を見てきました。彼らの失敗パターンを分析してみると、おおよそ3つに分類されると私は感じました。

目先の感情に流される人

会社組織で働くというのは、良いことばかりではありません。どちらかといえば、嫌なことの方が多いでしょう。転職理由の上位には、いつの時代も人間関係と給与に関係することがランクインされています。

私自身、何度も転職しましたが、その理由の7割が給与、残りの3割は人間関係でした。とくに、人間関係でどうしようもなく合わない人と一緒になると、毎日が地獄のようにすら感じられるものです。

そんな状況だと、逃げ出したくなるのが人情でしょう。しかし、そこで慌てて転職すると、ほとんどの人は失敗します。なぜなら、嫌な状況から抜け出したいという想いが先行して、冷静な判断力を失ってしまうからです。

他の記事にも何度か書いていますが、転職というのはタイミングが命です。自分が転職しようと決意したとき、タイミングよく好条件の求人があることは稀です。転職は、自分が望む条件でしなければ意味がありません。

あなたが今の状況から抜け出すために転職を考えたとき、条件のよくない求人しかないこともあるのです。そんなときは、グッと堪えて一度は踏みとどまる姿勢が必要です。そして、次のチャンスを待つのです。

私が見てきた中でも、それができない人はまず転職に失敗しています。最近では、早ければ2~3ヶ月、長くても1年くらいで次のチャンスがやってくるでしょう。

会社の看板で仕事をやってきた人

これは新卒で大企業に入った人によくあるパターンです。いわゆる、誰でも知っているような有名企業で働いてきた人は、会社の看板を自分の実力だと勘違いしている人が結構います。

普通に考えれば、本来は会社の看板と自分の実力には何の関係もありません。ところが、私が実社会に出てみると、会社の看板と自分の実力を混同している人が結構な割合でいました。とくに、誰でも聞いたことがあるような有名企業ほど、そのような人が大勢います。

大企業や有名企業というのは、出入りしている業者さんが非常にたくさんあります。そのため、それらの企業に一度入れば、新卒社員でも業者さんからチヤホヤされることになります。それが何年も続けば、「自分は凄い人間なんだ」と勘違いする人も出てくるわけです。

そのように勘違いした人たちが、30代や40代を過ぎて転職すると、厳しい現実に突き当たることになります。とくに、大企業から中小企業やベンチャー企業に入社すると、まず後悔するでしょう。

基本的に、大企業というのは業務が細分化されていますから、業務の守備範囲が中小やベンチャーと比べて狭いのです。狭い範囲の業務しかしてない人が、いきなり守備範囲を広げろといっても、なかなか難しいでしょう。また、中小やベンチャー企業に出入りしている業者さんは、大企業ほど言いなりにはなってくれません。

私が以前いた職場に、日本でも指折りの有名企業から転職してきた人がいました。彼は転職したことを後悔していました。その理由の一つが、「業者さんやメーカーさんの動きが、前の職場と全然違う」というものでした。

正直、私は(この人は何を甘えたことを言っているんだろう)と思いました。地方の零細企業から働き始めた私からすれば、業者さんが言いなりにならないのは当たり前です。そこをなんとか交渉して、自分たちの目標に近づけるのが腕の見せ所というものでしょう。

大企業や有名企業に勤めていたからといって、それだけで良い転職先が見つかると甘い考えを持っているなら、転職はするべきではないのです。

目的を持たずに転職しようとする人

これも転職でよく後悔するパターンです。とくに目的を持たず、ただなんとなく転職する、同期の人間が転職したから釣られて転職する、などです。このように、自分の目的を明確に持たないまま、転職をする人は大抵、後悔することになるでしょう。

とくに、周囲に流されやすい人は要注意です。自分の考えを持たず、周囲の人間が何人も転職しているから、「自分も転職した方がいいのだろうか?」という心情になりやすいのです。

転職の目的はべつに何でもいいのです。お金でも、もっとよい職場環境でも、はたまたスキルアップでも。極端な話、「口説きたい女の子がいるからあの会社に転職したい」という不純な動機でもいいのです。どんな理由であれ、自分の目的が達成できた転職は、その人にとっての成功といえるからです。

そこを明確にしないまま、転職活動をすると、「スカウトメールが来て採用されたから入ってみよう」「エージェントから紹介されて採用になったから入ってみようと」となるのです。これでは丁半博打と変わりません。なにもかも運任せなのです。

転職というのは、1つや2つは譲れない条件を持っておかないと、条件の悪い職場に入ってしまいやすいのです。ほとんどの人は、運というと自分ではコントロールできないものだと考えていますが、運というのは多少は自分でコントロールできる部分もあるのです。

少しでも、自分の人生をよくしたいと考えているなら、1つか2つは譲れない条件を考えるようにしておきましょう。ただし、条件のつけすぎは禁物です。