長文が読めないと一生這い上がれない

日本のサラリーマンは本を読まないと言われています。

文化庁というところが、毎年実施している「国語に関する世論調査」では、18歳以上の約50%がまったく本を読まないと回答しています。

実のところ、私も23歳までほとんど漫画しか読んでいませんでした。そして、ある出来事をきっかけとして、23歳のときに活字だけの本を読み始めました。

私の人生は、このときから変わり始めたと言っても過言ではありません。

文字を読むことで、私たちは様々な恩恵を受けることができます。もし、あなたがこれから収入を上げたい、新しいスキルを身につけたい、と考えているなら、長文読解は必ず必要になるスキルです。

長文が読めない人が増えている

ショートメールやSNSでのコミュニケーションが主流となってきた現代、長文が読めない人が以前より増加傾向にあるといわれています。

最近のメールでは絵文字が豊富ですし、写真や音声、動画も相手に送ることができるようになりました。

そのため、長文を書く必要性がなくなってきたのでしょう。それだけでなく、長文はウザがられるとさえいいます。

それが原因かどうかわかりませんが、最近の若者は短文でのコミュニケーションに長けているように感じます。

短い文章で相手に要点を伝えるというのは大切なことです。

ビジネスメールでも、よく箇条書きが使われますし、不要な表現は極力削ります。そのような文章は、相手に理解しやすいからです。

しかし、短文や箇条書きに慣らされてしまうと、小説などの長文を読むことが苦痛になってくるのです。「文字の塊を見るだけで嫌になる」という人もいるくらいです。

もし、あなたにそのような傾向があるなら、あなたの理解力レベルは黄色信号だと考えたほうがいいでしょう。

長文が読めない人は長い話も理解できない

長文が読めないということは、長い話も聞けないということです。

以前、セミナービジネスの説明会動画を見たことがありますが、その動画では「最初の10分と最期の10分だけが大切で、それ以外は適当に話していればいい」と言っていました。

これは、考えてみれば人をバカにした話です。

とはいえ、世の中にはそういった人が多いことも事実なのでしょう。セミナーを金儲けの手段と考えている人たちは、自分の話を聞いていなくても、お金さえ払ってもらえればいいのです。

つまりは、人の話を聞けない人たちをカモにしているということです。

長い文章が読めない、長い話が理解できない、これは情報化社会において致命的です。契約書や人の説明を十分に理解できないことにもなるからです。

契約書や説明を正確に理解できないと、誤解がトラブルの原因になりますし、なにより騙されやすくなります。

そのほかにも、仕事ではミスの原因になりますし、転職では相手の質問とズレた回答をしてしまうことになりかねません。

長文読解力はその人の収入に直結する

長文読解力は、その人の収入に直結します。今の世の中、賃金の高い高度な仕事ほど、たくさんの情報を正確に理解しなければなりません。

長文の理解ができない人、長い話を理解できない人に、そのような仕事は任せられないのです。

「慣れればなんとかなる」という人もいるかもしれません。しかし、基本的な理解力が身についてない人に、高度な仕事を任せても、ほとんどの場合まともにこなすことができません。

5年、10年かければなんとかなるかもしれませんが、そこまでの時間、待ってくれる余裕のある会社などないのです。

反対に、たとえ未経験の分野でも、基本的な読解力が身についている人は、すぐにその仕事に慣れることができます。

最近では、ほとんどのが会社が業務をマニュアル化しているからです。どこの会社にも、多数のマニュアルが用意されているので、それを読んで理解できれば、即戦力になることも可能になっています。

下流の人たちが逆転するチャンス

ここまで、長文が読めないデメリットについて書いてきました。

暗い気持ちになった人もいるかもしれませんが、これは裏をかえせば、長文を読める人になれば下流からの逆転劇が可能になるということです。

私もこれまで、何社か有名企業や一流企業と呼ばれる会社にも出入りしてきましたが、職場以外でほとんどの人は勉強していないと感じました。

ましてや、定期的に本を読んでいる人など、自分の周りに皆無といってもいい状況でした。

どんなにいい大学を出ていたとしても、社会に出てからまともに勉強してないと能力は低下します。逆に、大学に行ってない人でも、勉強を続けていれば有名大卒の人たちを超えることも十分に可能なのです。

現代は少子高齢化の時代と言われています。どこの業界も人手不足だと嘆いていますが、実際はデキる人が不足しているのが現実です。

雇う側も、デキない人が来ても仕方がないと考えているのです。彼らが欲しいのは仕事がデキる人だからです。

そのため、どこの職場でもやる気のない高学歴より、ヤル気があって勤勉な高卒のほうが重宝される傾向が少しずつ強くなっています。

恐らく、この傾向は今後ますます強くなっていくことでしょう。

本当の意味での実力主義の時代がやってきているのです。「自分には学歴がないから・・・」と嘆いている暇があれば、まずは読書で自分の能力を高めましょう。

終身雇用、年功序列の時代であれば、学歴の壁を埋めることは難しかったかもしれませんが、これからの時代はそうではないのです。

「努力しない大卒より、努力する高卒」これが今の社会の現実なのです。