悩みや苦しみと聞けば、ほとんどの人は良いことだとは思わないでしょう。正直なところ、私も悩みや苦しみといったものはあまり経験したくありません。
そうはいっても、現実には悩みや苦しみをいくら拒絶したところで、それがなくなるわけではないのです。
もしかすると、悩みや苦しみなどないほうがいいと考えている人もいるかもしれません。ですが、物事にはどんなことでも意味があるのです。そして、物事に意味を持たせるのは、その人の考え方次第です。
今回は、悩みや苦しみを自分の力に変える方法について考えてみます。
悩みや苦しみを経験するほど共感力が増す
現代は共感の時代と言われています。TwitterやFacebookなどのSNSが台頭してからというもの、その傾向は日増しに強くなっていくばかりです。
もし、あなたが悩みや苦しみを数多く経験したことのある人であれば、多くの人の共感を集めることができるでしょう。世の中には、自分が悩み苦しんだことと、同じ悩みや苦しみを持つ人が必ずいるものです。
自分と同じ悩み苦しみを持っている人が他にもいると分かると、人は心の負担が軽くなります。「自分の気持ちをわかってくれる人がいる」という気持ちになるからです。
人間は、同じまたは似た体験をしたことでしか、相手に共感することはできません。実際に自分が体験しているから、同じ悩みや苦しみを体験した人の気持ちがわかるのです。
そして、そうした辛い感情を数多く経験することでしか、人情や他人への優しさを育てることはできないのです。
彼は失恋したばかりだから、そっとしておいてやろう
嫌な上司に怒られたようだから、あとで慰めてやろう
悩みや苦しみを乗り越えるほど本物の力が宿る
共感力のない人はAI時代にとり残される
他人の痛みがわかるというのは、これからの時代でも非常に重要な能力です。ところが、他人の痛みがわからない人も、世の中には一定数存在します。
他人の痛みがわからない人になる最大の原因は、世間知らずです。狭い範囲の空間、人間関係、毎日変化のない生活・・・このような環境で長年過ごすと、人は自分と同じコミュニティにいる人たちのことしか理解できなくなります。
これからの時代、共感力のない人にとっては非常に厳しい時代になるでしょう。AIのようなコンピューターが台頭してくるほど、人間だけが持つ共感力というものがより重要になってくるからです。共感力を土台とした人情や優しさ、そうした人間臭さがAI時代には価値になります。
AIの最終目標は、恐らく人間と同等かそれ以上の生物を創り出すことでしょう。その過程で、人間の感情を理解することは避けて通れません。人間の感情、心の動きというものは非常に複雑なもので、スーパーコンピューターをもってしても簡単に計算できるものではないのです。
だからこそ、今後はいくつもの悩み苦しみを経験し、多くの感情、心の動きを記憶している人に価値が出てくるのです。もちろん、そういった人はAIだけでなく、その他の多くの人たちからも価値があると認められることになります。
悩みや苦しみを経験することは、悪いことばかりではありません。それらを経験すればするほど、あなたは他者の気持ちが理解できるようになり、他者の気持ちがわかるからこそ、他者からも認められるようになるのです。
現代社会は情報で溢れています。あなたの悩みを解決する情報も、探せばいくらでも見つかるでしょう。悩み苦しんでいるなら、世の中に溢れている情報を活用し、悩み苦しみを解決することを考えましょう。
それができれば、いづれあなたには精神的に安定した生活、人としての価値が約束されるはずです。