世の中には、あまり良くない環境というものがあります。家庭環境、職場環境、学習環境・・・これらの環境に恵まれた人はいいのです。もし、あなたがこれらの環境に恵まれていないと感じているなら、できるだけ早めにその環境から離れることを考えたほうがいいでしょう。
人間は、自分が合わないと感じた環境に身を置くべきではありません。その嫌な感じ、違和感はあなたの心の声が発しているサインなのです。そのサインを無視し、無理に嫌な環境に身を置き続けていると、いづれあなたは自分の本心がわからなくなり、人格が歪んでいくことになるのです。
人は必ず環境の影響を受ける
人間というものは、良くも悪くも確実に環境の影響を受けるものです。今のあなたが嫌な環境にいたとして、そこに染まらないよう注意していたとしても、無意識のうちに影響を受ける部分はあるのです。
とくに、社会人になってからの職場環境については、長い時間を過ごすことになるので、大きな影響を受けます。もし、あなたが今の職場は合わないと感じていたとしても、そこに10年も身を置き続けると、その職場に合った人間に変わってしまいます。
通常、人間は自分が合わないと感じた環境に10年も身を置くことはできません。そこに10年もいられるということは、それ自体、自分自身がその環境に適応したという証拠なのです。
今の職場の先輩や上司、同僚など、周囲に自分が尊敬できるような人がいないと感じるなら、できるだけその会社からは早めに離れたほうがいいでしょう。彼らの姿は自分の未来の姿といっても過言ではないからです。
身を置くなら3~5年が限度と心得よ
そうはいっても、ここ最近の社会情勢はあまりよくありません。すぐにいい条件で転職することは難しいでしょう。そういったときは、嫌々でも今の職場に留まるしかありません。
私がこれまで様々な職場を見てきた感じだと、嫌な環境に身を置く限度は5年だと感じています。たとえあなたが、その環境に染まるまいと抵抗していたとしても、5年あたりから環境の影響が少しずつ表に出はじめるからです。
そのとき、自分が悪い影響を受けていることが自覚できる人は、まだ救いようがあります。しかし、影響を受けていることが自覚できない人は、そのままどんどん悪い方向に影響を受け続けることになるのです。そのまま、10年もその環境に居続けると、もう取り返しがつきません。完全にその環境に染まりきってしまうのです。
悪い環境に染まりきってしまうと、人は不満を持ちながらも、その環境に居続けるしかないと思い込むようになります。その思い込みが強いほど、嫌な環境から離れるという選択をできなくなってしまうのです。その結果、自分の人生に不満を持ち続けたまま、つまらない人生を送ることになってしまうのです。
そして、環境から離れる離れないの決断ができやすい境界線が5年だと私は考えています。
嫌な環境に身を置き続けると人格が歪む
自分が嫌だと感じている環境に、無理して身を置いていると、人は確実に人格を蝕まれます。なぜなら、自分が嫌だと感じた環境に身をおくということは、自分の本心に逆らって、その環境に合わせていることになるからです。
嫌な環境に合わせるためには、自分の心の声を無視しなければなりません。自分の心の声を何年も無視し続けると、人はいづれ自分の心がわからなくなってきます。気がつけば、「あれ、自分は何がしたいんだったっけ?」「自分はどんな人生を送りたいんだったっけ?」と、自分の希望さえ忘れてしまうのです。
そうなってしまうと、あとは無気力に同じ毎日を送る、ロボットのような生活になってしまうのです。これはつまり、他人のための人生、他人のための人格をインストールされたようなものです。自分が本来なりたかった姿ではない、歪んでしまった人格になるということなのです。
だから私は、自分が嫌だと感じる環境からは、できるだけ早めに離れたほうがいいと思うのです。
環境を変えるときは計画的に
そうはいっても、自分が嫌だと感じたら即、転職!というのはオススメできません。たまたま、運良くいい職場に入れたらいいですが、そんなことは相当珍しいケースでしょう。
私が転職したとき、最初の半年くらいでその職場の雰囲気をつかむようにしています。周囲の人たちも、最初は遠慮もあってか親切にしてくれます。ところが、半年も経つとその職場の人たちの地がだんだん表に出はじめるのです。
そこで、自分に合うか合わないかを判断すればいいのです。もし、あなたが「この環境は自分には合わない」と感じたら、次の転職を考えて準備することをオススメします。
どんな職場でも、それなりに学べることがあるので、ひとまず真面目に仕事はしてキャリアアップを図ればいいのです。あまり短期間で職を転々とするのも、ジョブホッパーとして転職市場では敬遠されるからです。
自分にスキルがあれば、1年くらいで次の職場が見つかるでしょう。もし、自分にスキルがないのなら、その職場で3年くらい我慢して知識と経験をつけ、資格を取るなどして、自分のスキルを証明できるようにしておけば大丈夫です。
あまりに酷い場合は弁護士に相談する
パワハラやセクハラ、その他、違法行為が横行しているなど、あまりにも環境が酷い場合は、我慢せずにすぐ職場を変わってもいいと思います。職場に暴力的な脅しをかけてくるような上司などがいれば、すぐ弁護士に相談しましょう。
警察より弁護士のほうが頼りになるからです。お金のことはあまり気にしなくても構いません。地域には法テラスというものがありますから、そこを経由して弁護士に依頼することで、比較的安く依頼をすることができるからです。
支払いは月々5000円くらいから分割も可能です。最近では、月々3000円くらいで弁護士保険もありますから、それを活用してもいいでしょう。
裁判を経験してない人はよく知らないかもしれませんが、弁護士や裁判所というのは、実は相当強い権限を持っています。裁判所の命令さえでれば、弁護士協会から依頼して、相手の銀行口座を開示したり、その他の個人情報も開示させることができるからです。
数年前、私の友人の母親が自動車で追突されました。もちろん、追突した相手が100%悪いのですが、その相手が運悪く暴力団だったのです。相手は自分が悪いことを棚にあげ、毎日のように友人の母親に恫喝の電話をしてきました。
その友人は、ちょうど法律関係の仕事をしていたので、知り合いの弁護士に母親の件を依頼しました。その日から、母親への脅しがピタリと止んだのです。法の外にいる反社会勢力に対して、弁護士などは無力だと思っている人もいるかもしれません。ところが、実際はそういった反社会勢力に対しても弁護士は十分な抑止力があるのです。
何かあったときは、警察より弁護士。
これは、社会経験のない若い人たちは覚えておいたほうがいいでしょう。