若者の給料が安い国に未来はない

私が社会に出たころ、ほとんどの企業では大卒の基本給が17~18万円くらいでした。そして、その傾向は2020年の今になっても変わっていません。終身雇用制度に明確な終了宣言が出されたにもかかわらず。

これからの時代、私は若者の給料が安い国に未来はないと考えています。いまのままでは、日本は20年後には後進国の仲間入りになってしまうかもしれません。若者の給料が安いというのは、それほど深刻な問題なのです。

お金を使うことは情報を買うこと

私は当ブログで、繰り返し「お金を使うことは情報を買うこと」だと言ってきました。人は、お金を使うことで様々な体験をすることができます。高度情報化社会といわれる昨今、その体験こそが、貴重な情報となるのです。

お金持ちの家に生まれた人、若いころから高額な給料の職に就けた人は、必然的にほかの一般人より多くの情報を持つようになります。お金を持っている人のほうが、より多くの体験を積むことができるからです。

近年、格差が社会問題になっていますが、格差の最大の原因は情報格差だといわれています。だからこそ、若いころからお金を使って、たくさんの情報を自分の中に取り入れておく必要があるのです。

10年以上の情報格差は埋めることが難しい

もし、日本以外の他国についても、その給与水準が日本と同じか、低いのであれば今のままでも問題はないでしょう。しかし、欧米諸国をはじめアジア諸国でも高度技術職などは、今や新卒の基本給が30万、40万の企業などザラにあります。

AI開発の技術者であれば、初年度から年収3000万という破格の条件を出すところもあるほどです。そこまでいかないとしても、初年度から年収800~1000万の企業もグローバルでは珍しくありません。

それに引き換え、日本では一流と呼ばれる企業でも、新卒なら初年度で基本給が20万前後、年収だと500万もあればいいほうでしょう。これでは、他国の若者との情報格差は広がるばかりです。

たとえば、新卒で年収800万からスタートした人、年収500万からスタートした人では、使える金額に相当な差がでてきます。しかも、日本はただでさえ社会保険や所得税が高く、可処分所得(手取り収入)が他の国より低いのです。

そのまま10年も経てば、他国の若者と日本の若者の経験値の差は埋めようがないほど開いてしまうでしょう。このような状況で日本が何も変わることなく、何十年と時間が経ってしまえば、日本人にはもう勝ち目はありません。

いまだ根強い年功序列の悪習

ところが、日本企業のほとんどの幹部連中はこのことに気づいていません。今後もこれまでの給与形態でいいと考えている人ばかりなのです。彼らの中には、「自分たちがそうしてきたんだから若い奴らもそうしろ」といった馬鹿げたことを言う人までいます。

彼らには時代の流れを読む力がなく、ただこれまでの自分の経験でしか物事を判断できないのでしょう。いまだ終身雇用・年功序列の幻想に囚われているとしか思えません。同じ会社、同じ業務、同じ人間関係の中で長年過ごしてきたため、発想に乏しく同じやり方しかできないのです。

しかし、今となってはそうも言っていられないのです。日本企業も給与形態から業務形態、企業活動の全てにおいて変革を迫られていることに気づかなければなりません。それができなければ、30年後には日本企業はほとんど淘汰され、国内企業のほとんどが外資系になっているかもしれません。

日本人だからみいだせる活路

正直なところ、これから早急に日本企業が変化することには期待ができません。長年続いてきた、終身雇用・年功序列の制度は、それほど多くの日本人を変化を嫌う保守的な集団にしてしまいました。

時代の変化に気づいた一部の若者は、すでに次の時代へ適応するための行動を開始していますが、それはほんの一握りです。それ以外の若者は、まだまだ親世代の言うことを信じている人も少なくありません。そう考えると、少々暗い気分になってしまうのですが、現状のままでも活路がないわけでもないのです。

日本人は個性で勝負

ここ数年前くらいから、日本でも質の高い情報が大量にネットにアップされるようになってきました。これらを活用すればいいのです。

日本は、ほかの先進諸国と比較してもネット環境の良さには定評があります。日本全国、どこに行っても一定水準のネット環境が確保できるのです。そのため、日本全国どこにいても安定してネット情報にアクセスすることができるのです。これは日本に住むことの大きなメリットの一つだと思います。

その他にも、日本の情報には非常に多様性があります。本一つとっても、その豊富なジャンルは他国の追随を許しません。ビジネス書のみならず、文芸書や漫画にいたるまで、その著者たちは自分の考えを自由に表現できているのです。

日本はもともと文化的にも、他国とは違う特殊な部分がたくさんあるので、それが日本に住んでいる私たちのアドバンテージになります。

だから我々日本人は、情報の質と多様性を合わせた個性で勝負すればいいのです。ただ知識の量で勝負したところで、給与水準や教育水準がちがう他国のエリートには叶いません。ならば、他にはない個性で勝負するしかないのです。

海外とリンクすることを考える

ほとんどの日本人は、海外に出たり海外に発信したりすることをしません。それはつまり、世界の市場に日本人が参入する余地がいくらでも存在するということです。

私も今の会社で、色んな国の人たちと仕事をしていますが、どこの国の人たちも日本人に興味を持ってくれているのがわかります。日本人が他と違ったことをすれば必ず注目されるのです。

なので、私は将来的には海外の市場を意識することをオススメします。それはたんに、物を売るということだけでなく、表現や思想についても同じです。日本を好意的に見てくれる国は、世界にいくらでもありますから、将来的には彼らと共同で何かすることを考えてみましょう。

実際、日本人と組みたがっている国の人たちはいくらでもいます。台湾、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム、パラオ、インド、パプアニューギニア、イスラエル、ポーランド、ウクライナ、トルコ、キルギス、ブルネイ、ベルギー、エストニア、イラン、ロシア 、ペルーetc…それこそ数え上げればキリがないほどに。

ネットでのやりとりなら、Google翻訳でなんとかなるので、まずはチャットなどでの交流に挑戦してみるのもいいかもしれません。もしかすると、あなたの持っている能力が海外で高く評価され、予想外の高収入に結びつくかもしれませんよ。