同じ生活の繰り返しに価値はない

「一つのことをトコトン極めろ!」

日本ではこのような言葉をよく聞くことがあります。「一芸に通ずる者は多芸に通ず」という言葉もあります。そのためか、日本人は自分の得意分野を極めようとする人が少なくありません。

それ自体はべつに悪いことではないのですが、一つのことを極めるためには、同じ生活を繰り返さないといけないという誤解があるように思います。

私もこれまで一芸に秀でた人を何人か見てきましたが、彼らは全員が全員、毎日同じ生活を繰り返しているわけではありませんでした。定期的に変化を加えていたのです。

なぜ同じ生活を繰り返すことに価値はないのか?

日本は労働人口の9割がサラリーマンですから、ほとんどの人が毎日同じような生活を繰り返すことになります。

会社の業務も大半はルーチンワークですし、仕事から帰って食事をし、お風呂に入ればそろそろ寝る時間になっています。休日以外、毎日このような生活を繰り返すことになってしまうでしょう。

ある意味、日本人はこのような生活を強制されているといえます。しかしこれは、生きていくため、生活のため仕方のないことなのです。

とはいえ、このような同じ生活の繰り返しを何年も続けていると、あなたは間違いなく価値の低い人間になってしまうでしょう。

これからの時代は、より多くの情報を持つ人に富が集中します。そして、情報というのは量と多様性が重要な要素になるのです。つまり、いろんなことを知っていることが重要になるということです。

日本のサラリーマンのように、会社ではルーチンワーク、自宅でも毎日同じように生活をしていると、情報の量も種類も限定されていまいます。

毎日同じことをするということは、毎日同じ情報を上書きしているということです。同じ情報を上書きしたところで、自分の中に情報の量も種類も増えることはないのです。

たとえば、毎日同じ生活ばかり繰り返している人と話しても、毎度決まった話題しかでてきません。ところが、生活に変化を加えている人と話すと、いろんな話題がでてきます。これが、情報を持っているということなのです。

話題が豊富な人には、広範囲から人が集まってきます。少ない話題しかない人には、狭い範囲の人しか集まってきません。

これだけ考えても、豊富な話題がある人のほうが、多くの人を集めることができ、また多くの人から支持を得ることができることがわかるでしょう。

多くの人を集め、なおかつ支持を得られるということは、今の時代では、それ自体が富に繋がります。だからこそ、私たちは毎日の生活に変化というものを積極的に加えていく必要があるのです。

なぜ日本人は同じことを繰り返すことを重要視したのか?

同じ生活を繰り返すことの価値が低いことは、私自身がある程度の社会経験を経て気づいたことです。そのとき、私には一つの疑問が湧きました。「ではなぜ、多くの日本人は同じ生活の繰り返しを重要視したのか?」

これには恐らく次の2つの理由があると思います。

1.同じ毎日を繰り返すことで、同じ内容に熟練する
2.自分たちを納得させるため

これまでの時代では、一つの会社で定年まで勤めることが前提になっていました。そのため、一つの業務に熟練しただけでやっていけたのです。

また、日本人の高い熟練度が、一つの成功モデルとして世界から称賛されたという背景もあるでしょう。人間は一度成功すると、それが絶対に正しいと思いがちです。

しかし、毎日同じ生活を続けるというのは、実は人間にとって思いのほか退屈なことです。終身雇用の恩恵を受けた中高年でさえ、どこの職場でも惰性で仕事を続けている人のほうが多いのです。

彼らは、同じ毎日に嫌気が差しながらも、「それを続けることが大事なんだ」と自分たちに言い聞かせていたのかもしれません。あるいは、企業側が従業員をつなぎ留めるため、社会にそうした空気を蔓延させた可能性もあるでしょう。

20年前くらいまでは、それでもうまく社会が機能していましたが、今やそうした考えは時代遅れとなってきています。

生活に変化をくわえ情報の量と多様性を手に入れる

では、サラリーマンである人たちは、今後どのように生活に変化をくわえていけばいいのでしょうか?

これについては、以下の2つが重要になってきます。

 一箇所に留まらないこと
 興味の範囲を広げること

たとえば、仕事であれば何年かごとに転職するという手があります。転職も同業界だけではなく、たまには違う業界も経験してみるといいでしょう。

転職をすれば、周囲の環境や人間関係が変わります。他県に行けば違った地域性にも触れることができます。人間の気質、気候、食べ物など。そうした違いに触れることが、自分の情報を増やす手助けになるのです。

もう一つは、自分の興味の範囲を広げることです。長年同じ会社に勤めている人たちは、興味の範囲が非常に狭くなりがちです。

それを打破するためには、いろいろなことに興味を持つことが重要になります。そして、興味を持ったら実際に行動してみることです。自分でやってみたり、オフ会などで社外の人間関係を作ってみたり。

もし、そのようなことが億劫だとしたら、あなたの頭脳のキャパを上げる必要があります。興味の幅が狭い人というのは、基本的に頭脳のキャパも小さいと考えられるからです。

なぜこのようなことを言うのかといえば、以前の私がそうだったからです。

全然物事が覚えられない、頭に入ってこない・・・このような状態だと、広範囲に興味を持つことができません。自分の脳にとって、大きな負担になるからです。

だから、そういう人は、まず自分の脳のキャパを引き上げる必要があるのです。

その方法としては、やはり読書が一番手っ取り早い方法でしょう。同時に、適度な栄養も取らなければなりません。人間の身体も結局はハードなので、基本的なハードの性能を上げなければ脳のキャパも上がらないからです。

そこで必要になるのがタンパク質、ビタミンB群、亜鉛です。栄養のことがよくわからない人は、とりあえずこの3つだけを意識して毎日の食事にくわえてみましょう。

読書で情報のインプットすると同時に、体内のハードもバージョンアップするのです。人間の身体機能は、使えば使うほど発達します。そして、発達させるためには栄養が必要なのです。

適度な栄養によって、身体機能が向上すれば、おのずと頭脳のキャパも増えていきます。頭脳のキャパが増えれば、以前よりもたくさんのことを覚えることができ、自然と興味の範囲も広がっていくでしょう。

いろいろなことを知れば知るほど、経験が増えれば増えるほど、人は行動することに抵抗がなくなっていきます。そうして、より多くの情報を得ることができるようになるのです。

断言しますが、今の世の中、狭い世界で生きるより、たくさんのことを知って、広い世界に足を伸ばしたほうが人生は断然楽しくなります。

楽しいことは、いくらでもしたくなるのが人間です。結局は、多くの情報を得て、人生を楽しんだ人が価値の高い人間になっていくということなのです。