本当にいい人脈とは

あなたは人脈といえるものを持っていますか?

正直なところ、私は36歳くらいまで、人脈らしい人脈を持っていませんでした。ここでいう人脈とは、お互いに良い情報を交換したり、お互いに協力ができる人のことです。

いい人脈を持っていると、場合によっては、自分がピンチのとき相手が助けてくれることもあります。今回は、どういう人脈がいい人脈なのかについて考えてみます。

いい人脈を作りたければ自分から寄っていかない

私が人脈を作るとき、自分から相手に進んで接触することはありません。ビジネスの世界では、さしたる接点もないのに、自分から接触してくる人間は警戒されるからです。

「この人は自分を利用しようとしているのではないか?」そのように思われることがほとんどです。とくに、35歳を過ぎた会社員だと、何らかの役職についている人も多いので、余計に警戒心が強くなります。

また、多くの人は社会的地位が高い人、有名人、お金持ちといった、ステータスのある人に寄っていきます。しかし、そのようなステータスのある人には、日頃からいろんな人が寄ってくるので、適当にあしらわれて終わることがほとんどでしょう。

かりに、名刺交換やメアド交換をしたとしても、人脈としては何の意味もないことのほうが多いように思います。

そもそも、自分から進んで寄っていく人というのは、まず相手に何かして欲しいという下心があります。それを相手に察知されてしまい、適当にあしらわれることになるのです。

人脈を作る基準

私が人脈を作るときの基準は以下のようになります。

 自分と気が合う
 相手にやる気がある
 お互いに相手の利益を考えることができる
【自分と気が合う】
私なら、人脈を作るとき、相手のステータスなど気にせず、自分と気が合うことを最優先します。べつに建設現場で下働きしているような人でもいいのです。
会社経営者、弁護士、お金持ちなど、どんなに社会的ステータスがあったとしても、自分と気が合わなければ本物の人脈にはなりえません。
お互いに気が合うからこそ、「協力しよう」「アイツと一緒に何かをしてみよう」という気になるからです。また気が合う者同士だと、良い相乗効果を生み、予想外の大きな結果に繋がりやすいのです。
しかし、ステータスのある人に自分から寄っていくと、無意識のうちに上下関係ができることになります。人脈とは基本的に対等な関係でなければいけません。上下関係ができた時点で、こちらが言いたいことを言えなくなってしまいます。
それでは、本物の人脈とは言えないのです。
【相手にやる気がある】
これも結構重要な要素です。相手にやる気がないと、こちらが何かをしてあげても良い結果が生まれません。やる気のない人は、こちらがいい情報を伝えても活用できませんし、相手から情報を伝えてくることもほとんどないからです。
反対に、人生にやる気のある人は、こちらが与えた情報を活用できますし、後でこちらにも良い情報を教えてくれるのです。
また、やる気のある人というのは、ある時期に一気に伸びることがあります。それまで、しがないアルバイトをしていたような人が、いきなり会社を興したりするケースもあるのです。
ほかにも、やる気のある人と一緒にいると、自分にもやる気が出てくるというメリットがあります。相手が先に成功すれば、感化され「自分も頑張ろう!」という気にもなるのです。
そうした、いい空気感を共有できることも、いい人脈の条件なのです。
【お互いに相手の利益を考えることができる】
お互いに対等な関係であるからこそ、相手の利益を考えることができるようになります。人脈とは、一方通行の関係ではいけません。
自分が何かをしてもらったら、次の機会にこちらも相手に何かお返しをする。そういう関係だからこそ、よりよい関係を長く続けることができるのです。
自分の利益しか考えてない人とは、誰も関係したいとは思わないでしょう。そんな人は、たとえ本人に悪気がなかったとしても、人脈としては良くない部類だと判断することができます。

邪心のある相手とは人脈を築かない

人脈を作るときの大原則として、邪な考えの人とは人脈を築いてはいけないというものがあります。私の周囲でも、これまで邪心のある相手と人脈を築いたことによって、自分が大損害を被ったという例がいくつかありました。
基本的に、邪心のある人というのは、他人とロクな関係を築いていません。「類は友を呼ぶ」といわれますが、邪な人には邪な考えの人が集まりやすいのです。
邪心とは具体的には以下のようなものです。
 自分の利益しか考えていない
 相手を利用しようとする
 倫理観が欠如している
サラリーマンの世界では、50代・60代の人がどの会社でもそれなりの役職についています。社内外からそういう人に寄っていく人は多いのですが、役職がついていることと、その人が良い人かは別問題です。
そこそこ名のある企業の幹部だと、社内外から人が寄ってきます。彼と人脈を築きたいのでしょう。しかし、その幹部はそれをよくわかっているので、そこを逆手に取り、相手に要求ばかりして自分の利益だけを計るというケースは珍しくありません。
私はこれまで、そういった人間を何人も見てきました。邪心のある相手に近づくと、自分や会社が信用を失ったり損をさせられるだけでなく、ときとして犯罪まがいの行為にまで加担させられることもあるのです。
だから、どんなに社会的にステータスがあったとしても、その前に相手の性質をいうものをよく見極めないといけないのです。ハッキリいえば、今の日本の大企業幹部には、倫理観の欠如した人間が結構いると感じます。

そんな人間と関わって、いいことなど何もありません。本当にいい人脈に裏切りはないのです。