収入を上げたいなら実家から出よう

近年、実入りのいい仕事が減り、「収入を上げたい」「手取り15万から抜け出したい」と考える若者が増えてきているようです。

私も最初の会社は手取り10万でしたし、20代後半くらいまで手取り15万ほどで生活していたので、その気持ちはよくわかります。

人間というのは、自分が強く望んだことしか実現できません。収入についても、本当に心の底から願って行動しないと上げることはできないのです。

私の地元では、「収入が上がらない」といって嘆いている人のほとんどが実家住まいです。平均所得が低い地域ですから、実家住まいにならざるを得ないのはわかります。

ですが、実はその実家住まいが、収入を上げられない原因になっていることもあるのです。

実家住まいではお金を稼ぐ動機が弱くなる

親と一緒に生活していると、家賃・光熱費・食費など、それらの生活コストが自分自身にのし掛かってくることがありません。

そのため、自分の給料が低くても、それなりの生活ができると錯覚してしまうのです。たとえ手取り15万でも、実家住まいなら、ほとんど自分の小遣いに回せます。

かりに、実家に生活費として毎月5万入れたとしましょう。それでも、10万円は自分の手元に残るわけです。今どき、毎月10万円を自由に使えるとなると、そこそこ楽しく生活できるのではないでしょうか。

そうなると、今以上に稼ぐ必要性を感じなくなるのは目に見えています。「もっとお金が欲しい」「もっと稼ぎたい」そういう気持ちがあまり湧いてこなくなるのです。

お金を稼ぐ動機が弱いのですから、収入を上げることが難しくなるのは当然のことなのです。

実家住まいでは本当の金銭感覚が身につかない

実家住まいには、もう一つ弊害があります。それは、本当の金銭感覚が身につかないということです。家賃・光熱費・食費・その他雑費など、人が生きていくためには、それなりのコストがかかります。

実家住まいだと、それらのコストがわからないのです。光熱費や食費にいくらかかるのか?、トイレットペーパーや洗剤にいくらかかるのか?、そういったコストを気にする必要がないのです。

生活に実際いくらかかるのかわからない人は、結婚して親元から離れたときに慌てるようになります。家族がいれば、自分の想像以上にお金がかかります。子供ができれば更に出費は増えるでしょう。

たまに、結婚してから急に真面目に働くようになる人がいます。それは生活コストがかかるため、尻に火が付くからなのです。たいていの場合、そうなるのは男性です。「お金が必要だ」という現実を目の当たりにして、やっとお金稼ぐことの必要性を知るのです。

若いうち結婚して、お金の必要性を認識できた人はまだいいのです。これが35歳を過ぎてから結婚して、そのとき尻に火が付いても ”時すでに遅し” となっている可能性が高いのです。

だから私は、周囲にいる若い人たちに「実家からは早めに出た方がいい」とアドバイスするようにしています。自分一人で生活して、はじめて理解できることが結構あるからです。

実家住まいではハングリー精神が育たない

実家住まいはお金を稼ぐ動機を弱くし、金銭感覚が身につかないと説明してきました。これらを一言で表現すると、今の世の中を「生き抜く力」ということになります。

自分の収入を本気で上げたいなら、まずは実家から出ることです。そこで自活することがどれだけ大変か学ぶことです。そこであなたは、それまで以上にお金の必要性を感じることでしょう。

その危機感が収入を上げるための強い動機となり、努力や行動力の素となるのです。収入を上げられる人というのは、例外なく努力をし、行動している人ばかりです。その中に実家住まいの人は、まずいないと考えて間違いありません。

私が見てきた限りでも、実家住まいで収入を上げられた人は、せいぜい運良く大企業に入って出世ができた人くらいです。「それでもいいじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、そんな会社頼みの生き方ではこれからはやっていけないのです。

終身雇用や年功序列はすでに崩壊、会社はいつでも私たちの首を切るとまで宣言しています。ここ数年のうちに法改正も進み、会社はいつでも社員をリストラできるようになるでしょう。

そうなったときに、自活できるだけの力を持ってない人は、相当厳しい状況に置かれると想像できます。実家が資産家ならまだしも、ほとんどの家庭はそうではないはずだからです。

実家と協力することを考える人もいると思いますが、親と自分の両方が自活できる者同士だからこそ協力ができるのです。自活ができない状態で親と協力関係を築くことはできません。

それは自分が子供のころと同様に、ただ養ってもらうだけの関係であり、ジリ貧に陥る可能性が高いのです。

まずは実家から出て、一人で生活することがどういうことかを肌で感じてみることです。自分一人で何もかもしなければいけない状況におかれると、人間は生きる力が湧いてくるのです。

まずは自活できるだけの能力を身につける。それができる人は、仕事でも少しずつ結果が出せるようになっていきます。実家を出て10年くらいすると、自然とあなたの収入は上がっていることでしょう。

そのときあなたは、生き抜く力と稼ぐ力は、同じものだということに気づくのです。

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