「好きこそものの上手なれ」という言葉があります。これは、ある物事が好きであれば上達しやすいという意味で使われます。
実際、ある物事に上達したければ、まず好きにならないと始まりません。では、なぜ好きだと上達が早くなるのでしょうか?
今回は、その辺りの理由について考えてみます。
興味関心があると得られる情報量が違ってくる
ある物事が好きだということは、それに対しての興味関心があるということです。人は興味関心がある物事に対して、いろいろと知りたいという欲求が生まれます。
たとえば、あなたがあるスポーツにハマっていたとします。サッカーでも野球でもバスケットでも構いません。そのスポーツが好きで、今より上手くなりたいと思えば、あなたはネットや本でいろいろな情報を集め始めるでしょう。
プロスポーツ選手の動画、有名なトレーナーの書いた本、あるいは身近にいる上手い人に直接指導を請うかもしれません。物事が好きであれば、そのようにして人は情報を集めるようになるのです。
そして、実際に自分でやってみても、興味関心があるだけ気づきが多くなるのです。それまで集めた情報、そして実践、それらが自分に必要な気づきを与えてくれるのです。
これがもし、興味のないことだったらどうなるでしょうか? あなたは情報を集めることもないでしょうし、実践しても適当にプレイするだけで気づきも少ないはずです。
人は、自分が好きでないことには身が入らないのです。べつに上手くなりたいとも思わないので、得られる情報量は必然的にそれが好きな人より少なくなるのです。
継続することが苦にならない
人は好きなことをやっているときは、時間が経つのを忘れてしまいます。気がつけば一日中やっていた、何十年も続けていた。そういうことがあります。
物事が上達するためには、継続は非常に重要な要素です。どんなに才能がある人でも、一朝一夕に上手くはなれません。誰もがそれなりの練習量を必要とするのです。
長期間練習をすると聞くと、普通に考えれば大変そうなイメージがありますが、それが好きなことであれば苦にはならないでしょう。
好きなことでなくとも、時間をかければそれなりに上達するのですから、好きであればなおさらということになるのです。
創意工夫することができる
好きなことを何年も継続していると、その人の中には膨大な情報が蓄積されます。そうした情報が蓄積されることで、他の情報と結びつき、応用ができるようになってきます。
それはつまり、創意工夫することができるようになるということです。好きなことを何年も続けている人というのは、誰もが自分なりのやり方というものを持っています。
誰かのやり方を真似るのではかく、自分で考え出した方法です。人にはそれぞれ、自分に合ったやり方というものがあります。他人から言われたことを忠実にやっていては、発展はありません。
他人から言われたことだけをやっているうちは、その人のレベルと同じか、それより低いレベルにしかなれないのです。
しかし、好きなことであれば、他人のレベルに留まろうとは思わないはずです。「もっといいやり方があるのではないか?」そう考え、人はもっと発展させたいと考えるようになるのです。
そのような気持ちがあれば、あらゆるところに疑問を持つようになります。「ここはこうした方がいいのではないか?」「自分にはこうした方が合っているのではないか?」
そうした疑問が、創意工夫の源となり、上達の早道となるのです。