プログラマーは本当に稼げるのか?

最近、プログラマーになることを勧める広告をよくみかけるようになりました。

私も地元のコンピューター専門学校を卒業しているので、プログラムについて基本的な知識は持ち合わせています。また、同級生の多くはプログラマーの道に進んでいるので、彼らから色々と話を聞くこともあります。

プログラマーというのは、今の世の中ではたしかに需要があります。しかし、需要があるから必ずしも稼げるとは限りません。ここでは、私が知る範囲でのプログラマーの現実について書いてみましょう。

プログラマーの9割はオペレーター

少なくとも、私が知る範囲では、9割のプログラマーの年収は300~400万といったところです。20代で400万ほどあれば、結構高いと思う人もいるかもしれません。

ですが、プログラマーの世界は長時間残業が当たり前の世界です。私の友人の何人かも、大手企業の開発部門に勤め、年収500万や600万ありますが、残業は100時間オーバーがデフォだと言っていました。

残業100時間といえば、月~金は3~4時間残業、土日出勤もしなければなりません。そこまで長時間拘束されて、年収400万程度というのは、割に合わないと私は思います。

なぜ、そんなに長時間残業して年収がそれくらいしかないのか? それは、プログラマーの9割がただのオペレーター業務に就いているからです。

オペレーター業務とは、つまり設計者が指示したとおりにプログラムを打ち込んだり、できたプログラムのデバッグをする業務です。毎日、同じ作業を繰り返すだけなので、そこまで深い知識は必要ありません。

オペレーターに求められるのは、指示された通りにプログラムを作成することです。打ち間違いのないよう、バグの無いようにプログラムを完成させることが仕事なのです。

このようなオペレーター業務は、専門学校やWebのプログラミングスクールを卒業した人たちが、主に仕事を斡旋されることになります。

たしかに、プログラミングの覚えはじめには、そうしたルーチンワークもスキル向上の助けにはなるでしょう。毎日、同じ作業を繰り返すことで、プログラミングについてより深く理解できるようになるのです。

ただ、ある程度理解が進んだら、私はオペレーターからは身を引いたほうがいいと思います。

なぜなら、オペレーターは業務内容が単純作業に近いため、代わりの人材が見つかりやすいのです。そうなると、給料が上がる見込みは必然的に低くなります。長年続けたところで、給料の大幅アップは見込めないでしょう。

企画立案から設計までできるプログラマーは高収入

反対に、プログラムの企画立案から設計までできるプログラマーは、好待遇で企業から迎えられます。彼らのような高度なプログラマーは、年収が1000万を超えるのが普通です。海外なら年収3000万くらいはザラにいます。

指示されたとおりにプログラムを作成することはできても、企画立案から設計までできるプログラマーはなかなかいません。だからこそ、希少価値があり、高収入を得ることができるのです。

しかし、そういったことは本当にプログラムが好きな人でないと無理でしょう。ただ、仕事に困らないからプログラマーになったという人には難しいと思います。

まずはオペレーターから入って、プログラムのイロハを学んだら、プライベートで自分なりにプログラムを組んでみることです。試行錯誤を繰り返し、自分オリジナルのプログラムを作れるようになれば、高収入への道が拓かれます。

学歴がなくても、なんら問題ありません。自分が作ったプログラムをアピールすればいいのです。SNSを活用してもいいですし、Youtubeのような動画サイトを活用してもいいでしょう。

企業の応募書類にプログラムの一部を添付してもいいと思います。面接ではプログラムの詳細について話したり、「自分はこういうプログラムを組むことができる」とアピールできれば内定はほぼ確実となります。

つまるところ、これからの時代は、ただ人から指示されてするだけの仕事では稼げないということです。自ら積極的に動いていける人だけが、高収入を獲得することが可能になるのです。

需要はあるけど人材不足のハード系エンジニア

私の知り合いに何人か転職エージェント、人事部門を担当している人がいます。彼らの話だと、今ハード系エンジニアがとにかく不足しているということでした。

これからの時代、プログラムについては知っておくにこしたことはありません。ただ、プログラマーになっても、需要があるのは安い仕事ばかりなのが現実です。

私なら、IT業界で働くならハード系のエンジニアを狙います。

プログラムを動かすには、何をおいてもハードが必要です。パソコンを買っても、中にプログラムがなければ動かないのと同様、入れ物であるハードがなければプログラムも意味をなしません。

プログラマーの需要があるということは、それだけハード系エンジニアの需要もあるということです。それなら、人材不足で昇給の見込みが高いハード系エンジニアになった方がいいと思うのです。

なにより、人材不足の業界ほど、誰でも入りやすいというメリットがあります。

それはつまり、学歴があまり関係なくなるということでもあります。人材不足の業界は、人など選んでいられません。まずは現場に入ってもらって、慣れてくれればいいと考えているのです。

通信系エンジニアは狙い目

とくに、最近では通信ネットワーク系のエンジニアが不足しています。無線WifiやLAN、サーバー関係など、同じプログラマーでも通信系のプログラマーは平均年収が100万以上高いようです。

もちろん、ハード系エンジニアも同様です。多少、専門知識が必要になりますが、基本的なアプリケーションの操作、ハード組み込みの知識があれば問題ないでしょう。

たとえばあなたが高卒で、安い現場仕事しか任されない状況だとします。もし、あなたがIT系に転職したいと考えているなら、まずは基本情報技術者の資格を狙ってみることをオススメします。

とはいえ、私のように高校までずっと文系で理系のバックグラウンドがない人は、いきなり試験を受けても合格するのは難しいでしょう。なので、まずはITパスポート試験など、簡単な資格に挑戦して、ステップアップしていけばいいと思います。

学歴がない人は基礎的な理解力を身につけよう

「それでもまったく理解ができない」という人は、基本的な理解力が足りていないので、まずは読書で言葉に対する理解力を高めていけばいいでしょう。

「国語ができれば、全教科の点数がアップする」ということを聞いたことはないでしょうか? それは、国語が文字や言葉を正確に理解するための基礎になるからです。文章がまともに理解できない状態で、試験勉強をしても意味がないのです。

大学に行ってない人たちというのは、受験勉強をしていないので、基礎的な文字の読み込みが足りてないことがほとんどです。だから、長い話や難しい話を聞くことができないのです。

学歴のない人たちは、最初にそういった弱みを潰していかなければなりません。基本的な理解力を身につける、これが今の世の中で這い上がるための絶対条件なのです。ここをクリアしてはじめて、あなたにも高収入への道が拓かれるのです。

プログラマーにしろ、ハード系エンジニアにしろ、また別の職種にしろ、基礎的な理解力をけることがすべての始まりになります。あなたが将来的に高収入を得たいと考えているのなら、挑戦してみてはどうでしょうか。