リスクを取ることは面白い

現代の日本人は、リスクを取りたがらない人が多いといわれています。

たしかに、これまで私の周囲でも、リスクを進んで取ろうという人は一人もいませんでした。今のサラリーマン社会では、本当にリスクを取りたがらない人ばかりだと思います。

私はサラリーマンの癖にリスクをガンガン取るほうです。リスクを取った方が人生は断然面白いからです。どうしてみんなは、もっとリスクを取らないのかと不思議に思うくらいです。

今回は、なぜリスクを取ることが面白いのかについて、私なりの意見を述べてみます。

そもそも何のためにリスクを取るのか?

そうはいっても、私も若い頃はリスクを取ることを怖がっていました。

人生経験がないですから、損失の算出もできませんし、リスクを取った後、どんな状況になるのか想像もつきません。

そうなると、リスクを取る前には不安ばかりが頭をよぎってなかなか行動できないものです。
そんな私が、なぜリスクを取れるようになったのか?

それは、ひとえに自分の状況を変えたかったということに尽きます。

リスクを取る行動をすると、良くも悪くも確実に自分の状況は変わります。周囲の環境であったり、人間関係であったり、変化する内容は自分が取ったリスクによって様々です。

転職であれば、失敗すれば職場環境が悪くなったり、待遇が悪化することもあるでしょう。パワハラ上司に盾突けば、ますますパワハラが悪化する可能性もあります。

しかし、そんな不安ばかり考えていては、身動きは取れません。

人生というのは、実際に行動してみないと結果はわからないのです。先にあげた、転職やパワハラのような事例でも、行動すれば思いもよらない良い結果をもたらすこともあるのです。

ですから、ある意味リスクを取って行動するというのは丁半博打のような要素があります。丁半博打といえば五分五分ですから、決して確率が高いわけではありません。

それでも、自分の状況を本気で変えたければ、リスクを取って行動する以外の道はないのです。

リスクを取れない日本のサラリーマン

日本のサラリーマンは、99%といっていいほどリスクを取りません。リスクを取らないというより、リスクを取れないといった方が正しいかもしれません。

リスクを取らないための最もよい行動は、現状と同じことをやり続けることです。

毎日同じ生活、同じ環境で同じ仕事をやり続けていれば、何も変化は起こりません。つまりはノーリスクです。少なくとも、これまでの時代はそうだったのです。

ようするに、リスクを取らないということは、何も変化を経験しないということです。

それはつまり、自分の能力が高まることもなければ、新しい稼ぎ口を見つけることもないということです。そして、そのようにして、何年も同じ生活を続けてきた人たちが今、リストラされているのです。もはや、リスクを取らないことがリスクとなっているのです。

今の世の中は、全ての物事のサイクルが早まっています。昔は同じ仕事を30年続けられたのに、今やそのサイクルは5年や3年といった短期スパンになっています。酷い業界になると、数ヶ月単位で変化する業界もあるのです。

そんな時代にリスクが取れない人は、確実に取り残されていきます。

さして高度な技術があるわけでもないのに、「私はこれしかできません」という中高年の人がたまにいます。これまで、私の周囲にも何人かそういう人がいましたが、今や全員が閑職に追いやられています。

リスクを取れる人は変化を楽しめる人

翻って、若い頃から色々なことに挑戦し、リスクを果敢に取ってきた人は、中高年になっても重宝されます。リスクを取ることで、何度も変化を経験し、新しい状況に適応する能力が高まっているからです。

そういう人たちは、自分の状況が変化することを楽しみます。むしろ、変化がないほうが退屈だと考えているはずです。”変化がない=成長がない” ということだからです。

自己成長の意識が高い人は、同じ状況を続けることにいづれ我慢ができなくなります。だからこそ、変化を求めてリスクを取るのです。

社会の状況は常に変化しますから、完璧な環境というのはありません。始めた当初は完璧だと思っていても、何年もの時間が経つにつれ、必ず世の中の流れとズレが生じてくるようになります。

そのとき、世の中の変化に気づいて自分たちも変わらなければ、状況は確実に悪化していきます。定期的にリスクを取って現状を変えようとする人は、それがよくわかっているのです。

今、多くの日本の若者たちが、「失敗はしたくない」といいます。これまで、私の後輩たちも、9割以上がそのように言っていました。気持ちはわかりますが、若いうちからそうやって丸まっていたのでは、年をとってからが大変です。

冒頭で、私は「リスクを取るのは丁半博打のようなもの」といいました。

たしかに、最初のうちは丁半博打なのですが、実のところ、リスクを取る経験を積めば積むほど成功確率は上がっていくのです。成功確率が50%→60%→70%と。

だから、べつに失敗してもいいのです。私は失敗とはただのデータ取りと考えています。

それまで、失敗したデータが多ければ多いほど、次に挑戦したときに気をつけるべき点が明確になっていくのです。だから失敗する可能性がある=リスクを取るという行動が人生には重要な意味を持ちます。

また、リスクを取る経験を何度もしていると、そのうちリスクを取ることが面白くなってきます。

人によっては、リスクの算出ができないことであっても、どんなことが起こるのかワクワクするようになってきます。いや、次の展開を想像できない方が面白いとさえ感じるようになってくるのです。

自分の意思で人生を変えることができる、それはすなわち自分の人生をコントロールできるということです。自分で人生の舵取りができるのですから、楽しくないわけがありません。

リスクを取る経験をたくさんすれば、度胸もつきます。それは恐れの少ない人生を私たちに与えてくれます。今、多くの日本人が行動できないのは、恐れることが多すぎるからです。

果たして、そんな人生は楽しいといえるでしょうか?

私はこれからの若い人たちには、恐れの少ない楽しい人生を歩んでいって欲しいと思っています。思い切って自分の思うように行動してみましょう。そうすれば、リスクを取ることでしか見えない、新しい景色が見えてくるはずです。