ブラック企業のふざけた社員研修

世の中にブラック企業はたくさんありますが、ブラック企業かどうかの見分けがつきやすいものに社員研修があります。

ブラック企業が実施する社員研修には、かなりふざけた内容のものも少なくありません。

私もブラック企業の研修がどんなものか興味があったので、一度、試しに入社してみたことがあります。内容は、案の定というかあまりに馬鹿げていたので二週間で辞めました。

私の周囲にも、ブラック企業のとんでもない研修を受けた人がたまに現れます。彼らの話を聞いていると、思わず吹き出してしまうような内容のものもあります。

そうはいっても、笑ってばかりもいられないのです。こうした洗礼に順応して、人生をすり減らす人もいるからです。

今回は、私が体験したり周囲の人たちから聞いた、ブラック研修の特徴、研修の目的、ブラック研修が多い業種や職種などについて解説してみます。

こんな社員研修をする会社はブラック企業確定!

最初に、ブラック企業が実施する社員研修の特徴を以下に並べてみます。

 山奥の研修施設
 鬼教官と軍隊式
 毎朝大声で社訓斉唱
 社長を神格化
 会社に都合よく変わることを強制される
 気合いや根性が好まれやたらと熱い
 考えるな!とにかくやれ!

 毎日長時間拘束
 馬鹿みたいな大声で挨拶
 山の頂上から大声で叫ばされる
 わざわざ台風の日に実施
 人通りの多い駅前で大声で歌わされる
 周囲から自分のことを全否定される
 土下座させられる
 意味のない肉体労働で疲労困憊させる
 常に怒声が響いている
 絶対的な上下関係
 竹刀や木刀を持ち暴力をチラつかせる
 研修を終えると幹部が感動して泣きだす
 やたらとペナルティーが多い
 連帯責任
 会社は仕事を与えてやっている存在
 話の内容が矛盾だらけ
 どうでもいい細かいことばかり指摘される

ほかにも、まだまだあると思いますが、私自身が見聞きした範囲ではこんなところでしょうか。かなり馬鹿げた内容だと思います。

ここに書いた特徴がいくつか当てはまるなら、その会社はブラック企業とみて間違いないでしょう。一つ一つ解説すると、相当な文量になってしまうので、個別の説明は省きます。

ざっと書いて気づいたのですが、やはり大声という単語が目立ちますね。ブラック企業の研修には、威嚇するための大声はつきものだということです。

あとは、鬼教官や軍隊式、意見や反論など一切許されない絶対的な上下関係、などは1つでも当てはまればブラック確定と考えていいでしょう。

研修修了で幹部が泣きだすとか、そうして情に訴えかけるのも洗脳の常套手段です。

これはいわゆるアメとムチで、厳しい研修を終えた後、情をかけることで「この人は本当はいい人なんだ」と思わせる手法です。そのような猿芝居に騙されてはいけません。

カルト宗教の洗脳手法

上記のようなブラック研修は、カルト宗教の洗脳手法に近いものがあります。ここで、カルト宗教がよく使う代表的な洗脳手法を簡単にまとめてみましょう。

1.長時間拘束、疲労、睡眠不足で気力を奪う
2.気力のない状態にした後、人格を全否定
3.自我を否定し破壊したところに新たな価値観を刷り込む

ここでは、疲労や睡眠不足というのが重要なキーワードです。人は疲労困憊になったり、睡眠不足になったりすると、どうしても気力が失われ意思が弱くなってしまいます。

そこで人格を全否定し精神を痛めつけ、自分たちに都合のよい価値観を植えつけるのです。

気力が弱った状態だと、相手から攻撃されても抵抗するのが難しくなります。その苦しみから逃れるため、相手の要求を次第に受け入れるようになっていくのです。

あとは、ひたすら1~3を繰り返せば、何も考えず言いなりになる奴隷の完成です。

ブラック研修を導入する確率が高い業種

では、ブラック研修をする傾向のある業種について、以下にいくつか挙げてみます。

 訪問販売系
 不動産営業系
 住宅設備機器関連
 水商売
 近頃はITなどの情報系でも増加傾向

基本的に客単価が高い、大きなお金が動くような業種はブラック率が高くなる傾向があります。

あとは無料求人などに、年がら年中求人を出している会社、「月収100万円以上可能!」などと、高額報酬を打ち出している会社。

こうした会社もブラック率が高いとみて間違いないでしょう。そして、それらの会社の大半が営業系だということに気づくはずです。

最近では、営業職を避ける若者も多いので、コンサルタントなどと呼び方を変えているところもあります。しかし、実際は飛び込み営業であるケースがほとんどです。そういう会社ほど、月収100万など、高額報酬を前面に押し出しています。

とくにスキルも必要ないのに、高額報酬を提示しているということは、裏に何かあるとみるべきです。ブラック企業は本音の部分で、客を騙そうが、違法行為をしようが、会社に利益さえもたらしてくれればそれでいいと考えています。

かりに、社員の違法行為が明るみにでたとしても、その責任は本人に負わせるよう契約書に書かれているのが普通です。彼らは社員を使い捨てのコマとしか見ていないのです。

なぜブラック企業はふざけた研修をするのか?

ブラック企業がふざけた社員研修をするには、もちろん理由があります。

 従順な人間をふるいにかける
 ストレス耐性をみる
 生活に困っているかどうかを確認する
簡単にいえば、この3つがブラック研修をする理由です。
ようは、彼らは自分たちの言いなりになる奴隷を欲しがっているわけです。そのためには、疑問を抱かずロボットのように働いてくれる人材が必要です。
ブラック研修を最期までやりきることは、奴隷になる素質があるとみなされます。
ただ、奴隷といっても、短期間で潰れては意味がありません。できるだけ長期に渡って働いてくれた方が、ブラック企業にとっては都合がよいのです。
そのためには、ストレス耐性も必要ですし、借金があるなど、生活に困っているかどうかも重要なポイントになります。職がなく生活に切羽詰まっていれば、無茶苦茶な研修でも我慢せざるをえないからです。
つまり、足下を見ることができる人間は、ブラック企業にとって格好の獲物となるのです。

ブラック研修をする会社など即辞めろ!

私の結論としては、「ブラック研修をする会社など即辞めろ!」です。

私自身、好奇心が強いほうなので、ブラックと知ってあえて入ったこともあります。岸部露伴ではないですが、「体験はリアリティを生む」のですw

とはいえ、内容は予想通りのくだらないものでした。

山のてっぺんから、毎日社訓を大声で叫ばされたり、鬼教官から毎日罵倒されたり、社長を神格化していたり・・・頭がおかしいにもほどがあります。彼らの手口はよくわかったので、一通り研修を受けた後、私はさっさとその会社を辞めました。

ネットのない一昔前ならまだしも、今どきこんなやり方が通用すると思っているのでしょうか?

と思うのですが、今現在でもブラック研修をしている会社は確実に存在します。ということは、そんな会社でもまだ働く人がいるということです。

たしかに、どんな会社組織でも、会社の方針にはある程度は従わなければなりません。しかし、それは会社の方針に違法性がない場合です。ブラック研修をする会社ほど、法律スレスレどころか、完全な違法行為に手を染めているところもあるのです。

だからこそ、ふざけた研修内容にも疑問を抱かない奴隷社員を欲しがっているのです。

そうした会社で働くことは、最悪、会社ではなく自分自身が告訴されるリスクもあると考えた方がいいでしょう。もし、高額の賠償金を請求されたり、前科がついてしまえば、その後の社会生活にも支障がでます。

そう考えると、ブラック研修をする会社は、やはり辞めたほうがいいということになります。

ふざけた社員研修をする会社からはすぐ離脱しましょう。少なくとも、まともな人生を送りたいなら、そんな会社は辞める以外の選択肢は考えられないのです。