会社のルールを自分の人生に持ち込んでいないか?

日本の会社には様々なルールがあります。

就業規則から始まって、部署や部門ごとに細かいローカルルールがあったりします。たしかに、同じ会社で働き続けるためには、そうしたルールに従わなければならない側面はあるでしょう。

しかし、そういった細かいルールまで自分の人生に持ち込む必要はないのです。

私が見てきた限り、そうした細かい会社のルールをプライベートに持ち込んでいる人が、かなりの割合でいると感じます。

その人の行動や考え方すべてが、会社の枠から外れないよう束縛されているように見えるのです。今回は、会社のルールをプライベートに持ち込んでしまった人たちの例、その対策について考えてみます。

会社の細かいルールをプライベートに持ち込む人

人生において、会社で過ごす時間はかなりの割合を占めます。そのため、会社での行動や考え方が、プライベートに大きな影響を与えることになります。

人によっては、プライベートの基準と会社の基準が一緒になっている人までいます。

私自身もサラリーマンなので、プライベートが会社のルールに影響を受けるのは仕方がないと思っています。ですが、どうでもよい細かいことまで、周囲の人たちに強制するのは間違っています。

基本的に、大きな会社ほど業務や管理が細かくなる傾向があります。とくに日本企業では、小さなミスも見逃さない緻密な仕事が要求されます。大会社の下請けも、同じように細かい要求をされることになります。

細かい仕事を続けていると、普段の生活でも細かいことが気になるようになってきます。そしてそれを、無意識のうちに周囲の人たちに強制するようになっていくのです。

人間関係おいて、細かい指摘をする人は敬遠されます。この人は人間が小さいとみなされるのです。そして、その人からはどんどん人が離れていくことになってしまいます。

会社の上下関係をプライベートに持ち込む人

これは本当によく見かけます。会社で役職がついて、社内で偉そうにしている人、競争心が強い人などです。

そういった人たちは、友人関係だけでなく、自分の子供や奥さんにまで上下関係を持ち込むことが少なくありません。案の定、人間関係はうまくいかなくなります。

上下関係ばかり気にする人に、本当の友だちはできません。彼らは、友だち関係に上下などないことがわかっていないのです。「俺には友だちがいない」こういうことを言っている人は、高確率でプライベートでも上下関係を気にしている人です。

会社で偉そうにしている人は、家庭でも尊大な態度を取っていることがよくあります。当然、家族からは嫌われます。

以前、私が勤めていた会社の上司は「もう2年以上、嫁さんと会話してない」と言っていたことがありました。同じ屋根の下で暮らしているのですから、普通ならありえない話です。しかし、彼の性格を考えると、私には納得できるものがありました。

会社で役職がついているとか、出世コースに乗っているとか、そんなことは社外の人たちには一切関係がありません。会社の上下関係をプライベートに持ち込めば、周囲の人たちは迷惑でしかないのです。

それがわからない人は、より良い人間関係を築くことができません。それはすなわち、自分の人生を自らつまらなくしているということなのです。

自分の行動や考えを逐一チェックすること

上記2つは、わりとよく見かける例です。あなたの周囲にも、こういう人たちがいるのではないでしょうか?

では、こういう人たちのようにならないためには、どうすればいいのでしょうか?

それは、やはり自分で普段の行動や考えを、逐一チェックしていくことが必要になります。自分を客観的に見つめ、振り返るのです。

「もし、自分が同じことをされたり、言われたりしたらどう感じるのか?」と、相手の気持ちになって考えてみるのです。それで自分が嫌な気持ちになると思えば、他人にしてはいけないと考えるようになるでしょう。

ところが、自分を客観的に見つめられない人は、他人の気持ちを想像することができません。自分のやっていることがわかっていないため、善悪の判断もできていないのです。

だから、相手に嫌がることをしている自分に気づけないのです。

会社のルールには、いいものも悪いものも含まれています。組織の中は正解でも、プライベートでは不正解になることがあるのです。

会社のルールを何も考えず、目の前の事象に当てはめるのではなく、一つ一つ「これはこの状況で正しいのか?」と考える必要があるのです。

あなたに何かやりたいことがあるのであれば、ここはとくに注意すべきところです。

すでにできあがった会社のルールと自分のやりたいことは、相反することがほとんどです。プライベートで自分のやりたいことに、会社のルールを当てはめていると、まずうまくいかないでしょう。

ですから、まずはプライベートが会社のルールに縛られていないか、チェックしてみましょう。そして、会社のルールを当てはめる必要がないことは外していきましょう。

そうすることで、少しずつ考える力や物事を判断する力がついていきます。

これからの時代は、会社にそこまで依存するメリットはありません。自分なりに考え、自分で物事の判断をできる能力が必要になるのです。その能力が身につけば、あなたは会社のルールから解放され、もっと自由に生きられるようになるでしょう。