マウントなんて気にするな

何年か前くらいから、マウントを取ってくるという言葉をよく目にするようになりました。マウントを取るとは、自分の優位性を誇示し、こちらを見下してくることをいいます。

今回は、こうしたマウントを取ってくる人たちの特徴、心理、対処法などについて考えてみましょう。

マウントを取ってくる人たちの特徴

基本的に、マウントを取ってくる人たちというのは、人として程度が低いと思ってかまわないと思います。

私は、地方の中小零細企業から東証一部上場の大企業、ブラック企業から自動車工場の期間従業員まで経験しています。色々な職場を経験していえることは、職場環境の悪いところほど、マウントを取ってくる人が多かったということです。

もっとハッキリ言えば、ことあるごとにマウントを取ってこようとするのは、本質的に頭の悪い人です。彼らは、他人を自分より上か下かでしか判断しようとしません。

その原因は劣等感です。

そういう人たちは、過去に自分が虐げられてきた、もしくは現在進行形で誰かに虐げられていることがほとんどです。自分が虐げられているから、劣等感が強くなってしまったのです。そして、それを解消するため他の誰かにマウントを取ろうとするのです。

考えようによっては、彼らも気の毒な人たちだともいえるでしょう。ただ、彼らのような人たちは自分を省みることがないので、変わることは期待しない方がいいでしょう。

マウントを取ってくる人たちの心理

スクールカースト、ママさんカースト、学歴マウントetc… 近頃は、マウントに関する単語も色々とあるようです。

正直、私はこのような言葉を目にするたび「バカバカしいな」と思っています。私にはとうてい意味のある行為とは思えないからです。

先に説明したように、マウントを取ってくる人たちの多くは、過去もしくは現在進行形で他の誰かに虐げられていることが多いです。または、幼いころに親から十分に認めてもらえなかったことで、承認欲求に飢えている人もいます。

ようするに、彼らは自分の中になんらかの欲求不満を抱えているのです。

同時に、親などの身近な人たちがマウントばかり取っているということもあるかもしれません。身近な人間が、そういうことをしていると、それが普通の感覚になってしまうからです。

学歴マウント

たとえば、よくあるケースでは、親が学歴信奉主義者だった場合です。

幼いころから、名門大学に行かせるためにいくつも塾に通わされ、「絶対に○○大学に行かないと駄目なんだ!」としつけられてきた子供は、学歴が絶対的な価値観になってしまいます。

そうした家庭環境で育った子供が、親の期待通り偏差値の高い大学にいけたとします。

その子は、自分より偏差値が低い大学に行った人たちを見下すようになるでしょう。受験に失敗したらしたで、今度は劣等感から自分より下の大学の人たちを見下そうとします。

こうした人たちは、結局のところ、親の価値観という呪縛から抜け出せていないのです。

それまで自分の思うように生きられず、親の敷いたレールに従ってきただけなので、心の奥底に劣等感を抱えてしまうのです。

だから、自分の人生を正当化するため、劣等感を隠すため、誰かにマウントを取ることで心のバランスを取ろうとするのです。

虐げられた人は劣等感からマウントを取ろうとする

あとは、虐げられてきた人たちも同様です。

いい例がブラック企業でしょう。ブラック企業では、上司や先輩から褒められることなどまずありません。基本、言われる内容の9割以上が文句や説教ばかりですから、承認欲求が満たされることがないのです。

そうなると、誰かに認めて欲しいという飢餓感から、自分の力を誇示したり、やたらと自慢話をするようになります。そうすることで、「凄いですね!」と誰かに認めてもらいたいのです。

経験がある人もいると思いますが、やたらと偉そうにしている上司ほど、お世辞を言うと真に受けて喜んだりするでしょう? そう考えると、彼らが可哀想な人たちに見えてくるはずです。

不自由が欲求不満を呼び、欲求不満が劣等感を生む

先に説明したように、彼らの劣等感は欲求不満から来ています。そして、欲求不満になる原因は自由がないことです。

ここでいう自由がないというのは、自分の人生を自分で決められていないということです。

一見すると高学歴で能力も高い人が、強い劣等感を抱えていることがあります。彼らのような人たちは、それまでの人生を誰かの敷いたレールに従って生きてきたために、自分で物事を決めて自分で達成した経験がありません。

いくら高い能力があるといっても、それは自分で望んで身につけた能力ではなく、身につけさせられた能力なのです。それが彼らの劣等感の源になっているのです。

会社などで虐げられている人たちも、同様です。

常に上から仕事をやらされている状態になっているのです。当然、欲求不満になります。自分が自由にできないという欲求不満は、積もり積もってやがて劣等感へと姿を変えていくのです。

もし、あなたの周囲にやたらとマウントを取ってくる人がいるのなら、一度よく観察してみてください。彼ら自身に自由がないことがよくわかるでしょう。

マウントを取ってくる人の対処法

さて、ここまで読んでくれた人の中には、マウントを取ってくる人たちに、少し同情の気持ちが湧いてきた人もいるかもしれません。

ですが、同情したところで、そういう人たちが自分の行いを正すことはないと思ったほうがいいでしょう。長年たまった欲求不満は、そう短期間で解消されるものではないからです。

ならば私たちがすることは、彼らのマウントをかわす術を身につけることです。

マウントに神経質にならない

社会経験の浅い若い人たちによく見られる傾向があります。それは、マウントに神経質になりすぎていることです。

誰しも人間ですから、たまには自慢話や自分の力を誇示したいときがあるでしょう。自分だって、そういう気分になることもあるはずです。

ですので、たまにならマウント取りがあったとしても、気にせず許容するようにしましょう。

たった1回、些細なマウントを取っただけで「マウントを取られた!」と騒ぐ人がたまにいます。しかし、そういう人に限って、自分も他の人にマウントを取っていたりするものです。

マウントには、こちらを露骨に不愉快にさせるものもあれば、あまり気にならないちょっとしたマウントもあります。後者のようなものなら、気にせず流すのが一番です。

人間関係は、あまり潔癖になりすぎてもうまくいきません。少しくらいなら、相手を許すということも大切です。

露骨なマウントは完全無視

競争心の強い人などは、ことあるごとに自分と比較してくることがあります。そして、自分が優位だとみればこちらを見下してくるのです。

こういう人に対しては、私の場合だと、完全無視を決め込みます。

あからさまに聞いてないという風な素振りをするのです。相手の方も向かず、何事もなかったかのように別の方向を向いて黙っているのです。

間違っても、悔しがるような素振りを見せてはいけません。たまに相手がムキになってくることもありますが、それでもまったく相手にしないようにします。

あんまりしつこいときは、露骨に「馬鹿じゃないの?」といった顔をしたり、大きなため息をついて首をかしげたりします。

相手は自分が嫌な気分になるので、それ以降はあまり言ってこなくなるでしょう。

マウント集団からは離れる

一番やっかいなのが、集団でマウントを取ってくるようなケースです。1人ボスみたいなのがいて、他に何人か子分を引き連れているような集団です。

これは、PTAのママさんカーストなどで、よくあるようです。

こういう場合は、親玉を叩くか、その集団のいる行事に一切参加しないようにするしかありません。それができなければ、腹を据えて完全無視を決め込むのが一番です。

集団というのは結構やっかいです。

親玉が性悪だと、悪い噂を流されるなどの嫌がらせをしてくることもあるからです。仲間がいるぶん、赤信号みんなで渡れば怖くない心理も働き、行動がエスカレートしやすいのです。

そんな場合でも、動揺せず無反応に徹するのがいいでしょう。こちらが反応するから、余計に面白がって嫌がらせをしてくるようになるのです。

こういうのはハッキリいって、クズ人間の類いなので、とにかく相手にしないのが一番です。離れられるなら、離れることを一番に考えましょう。